世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年9月28日

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 9月6日、米国とインドとの初の外務・防衛担当閣僚級会合(「2+2」)がインドのニューデリーで開催された。同日、これに関する共同声明が発表された。共同声明は、ほとんどが「防衛及び安全保障の連携を強化すること」に割かれているが、「インド太平洋及びそれを超えたパートナー」、「繁栄及び人と人との関係を推進すること」という項目も明記された。その要点を、一部紹介する。

(dibrova/Nikhil Patil/RakeshPicholiya/Mizina/iStock

・今回の初の「2+2」は、モディ首相とトランプ大統領が米印戦略的パートナーシップを推進しようとする共通の決意を反映する形で開催された。今後、毎年実施する予定で、次回は米国で来年開催予定である。

・米印両国は、70年以上にわたる外交協力を祝し、今後も、自由、正義及び法の支配という価値に基づく民主主義の主権国家として、平和、繁栄及び安全保障のための世界の努力をリードして行く。

・両国は、お互いが戦略的パートナーであることを認識し、地域及び世界の課題に対し、二国間、三国間、4国間会談を含む形式で、協力を進める。

・閣僚達は、インドが米国の主要防衛パートナー(MDP)と指名される戦略的重要性を再確認し、両国が防衛・安全保障協力を拡大することに合意した。近年、米印二国間の防衛関係の貿易は早い速度で増加し、米国からインドに提供される技術の質も向上した。米国のライセンス例外戦略貿易権限(STA-1)に基づく主要国にインドが入ることを歓迎し、防衛装備品の相互貿易やそのサプライ・チェーンの連結を拡大することを支援する。両国間では、通信互換性及び安全保障に関する協定(COMCASA)が署名された。これにより、インドが米国製の防衛システム等を利用しやすくなる。また、閣僚会合では、防衛企業間の協力を進める産業安全保障アネックス(ISA)の交渉を開始することで合意した。

・軍人同士の交流も促進する。新たに陸海空統合演習を行うとともに、防衛組織間の人の交流を拡大する。閣僚会合では、海洋安全保障での米印協力にも触れ、西インド洋での協力深化の重要性にも鑑み、米海軍中央司令部とインド海軍との交流を開始する。

・米印防衛連携における技術のユニークな役割に注目して、「2+2」では、防衛技術貿易構想(DTTI)を通じた共同生産、共同開発を奨励することで合意した。防衛イノベーション協力については、米国の防衛イノベーション・ユニット(DIU)とインドの防衛イノベーション機関・防衛イノベーション拠点(DIO-iDEX)との間で覚書が交わされた。

・対テロ協力に関しては、情報共有を拡大し、外国人テロリスト返還に関する国連安保理決議2396を履行することで合意した。米印両国は、サイバー空間での安定的環境を維持し、サイバー攻撃を防止するため、更なる協力を推し進めることを再確認した。

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