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2018年10月4日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

(zazamaza/Gettyimages)

 新築のマンション価格が高くなり過ぎたことから中古マンションが新築以上に売れている。長年にわたり中古市場をウォッチしてきたリクルート住まいカンパニーの池本洋一SUUMO編集長に、中古マンションがなぜ受けているのかその理由を聞いた。

2000万円の格差

 首都圏で分譲されたマンション価格はこの4年間で3~4割も急騰、17年度の平均価格が5921万円にまで上昇、バブル期1990年度の6214万円に次ぐ高い水準になっているという。これが23区内となるとさらに高くなる。

 SUUMO池本編集長は「東京23区内の新築マンションは約7200万円するが、中古だと5200万円で買うことができる。この差額2000万円は大きな格差だ。

 仮に部屋のリフォームに500〜1000万円を掛けても、コスパ的に割安だ。以前は他人が住んだ家に住むことへの抵抗感があったが、今の若者世代はリフォームやリノベーションをおしゃれでかっこいいと考えているようで、中古への関心が高まっている」と分析している。

 2008年のリーマンショックまでの10年以上にわたって首都圏で新築マンションが年間約8万戸も販売されていた。このころに売り出された優良な新築物件がいま中古として市場に出ているという。「新築マンションの場合はモデルルームしか見ることができず、実際に自分が購入する部屋を確認することができない。しかし中古は住むことになる部屋を自分の目で確認できる。隣にどんな人が住んでいるのかもチェックすることができるので安心感もある」と中古のメリットを強調する。

2年連続で新築を上回る 

 首都圏の新築マンションの供給量は13年から毎年減少していたが、17年度は3万5898戸で、前年度より微増した。しかし、不動産物件情報を提供している不動産流通機構が運営する東日本レインズによると、17年度の中古物件の成約件数は3万7329件で過去最高を記録、新築の成約件数を2年連続で上回った。つまり、新築は高くて手が届かず、代わりに中古を購入している実態が垣間見られる。

 直近の数字を見ると、不動産経済研究所が9月13日に発表した8月の首都圏新築マンション販売の市場動向によると、発売戸数は1502戸と前年同月比25.8%減少し、93年(1354戸)以来の低水準だった。価格も5360万円と同434万円、7.5%も下げ、2カ月連続での下落となった。2カ月連続での下落は異例のことで、都内23区内は堅調だが、23区外での下落が目立ち、これまで好調だった新築マンションの販売にも陰りがみられる。

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