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2018年12月2日

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イノウエヨシオ

株式会社ファンドレックス取締役COO(最高執行責任者)。共益投資基金ジャパン代表理事。NPOや公益法人向けのファンドレイジング研修では年間3000名以上に講演。地域の課題解決のための取り組みを全国各地で行うと共に、チャリティイベントの企画や災害対応の研修などで高い評価を得ている。資金的支援に経営的支援を組み合わせた新しい資金循環にも取り組んでいる。

平成最後の年の瀬は「安心を寄付する」

 12月は寄付月間(Giving December)である。

 

 これは、「欲しい未来に 寄付を贈ろう」のキャッチフレーズの元、NPO、大学、企業、行政などで寄付に関係する関係者が幅広く連携して、寄付によって人々の幸せを生み出す社会をつくるために、12月1日から31日の間、協働で行う全国的なキャンペーンだ。

寄付月間に、一人ひとりがこの機会に寄付について考えたり、実際に寄付してみたり、寄付月間についてソーシャルメディアで広げたりすることや、寄付を受ける側が寄付者に感謝して、きちんと寄付の使い道を報告することが進むきっかけにしたいと考えています。(寄付月間ホームページより引用)

 また寄付白書によれば、日本では個人寄付が東日本大震災以降、増えている。「寄付白書」。2010年までは、一年間で個人寄付される割合は3割程度であったが、東日本大震災の2011年には一気に国民の7割が寄付を行った。中には寄付の成功体験を持った人々がいて、その後も継続して寄付するために、2012年以降もずっと4割強と、寄付率が高止まりの傾向にある。このように日本では個人の寄付が増えているのだが、特徴として、災害が起こると寄付がたくさん集まるが、平時の備えに対しては集まりにくい。

 だからこそ、攻めの防災として、事態が起こってから対処するのでなく、積極的に備えを進めて、未来の安心を手に入れるようにしたい。災害時に活躍する団体に平時からの備えとして、寄付しておくこともこの機会に考えることも大切な一つの方法だ。

 防災を考えることは、命を守ることを考えることに繋がる。生きる術を整える→未来が続くことを考える→未来をよくするために一票を投じるようなもの。

 災害が発生しても、被害を少なくすることができるようにすることで、自分たち一人ひとりで未来は変えることができる。

 「そなえよつねに」は、筆者も参加するボーイスカウトのモットーだが、「備えあれば憂いなし」という言葉とは違って、積極的に備えていくことで、ハイキングやキャンプなどの野外活動でも危険な個所を回避して安全にプログラムが楽しめるように、攻めの安全の意味合いが込められている。同じように「欲しい未来に 寄付を贈ろう」という寄付月間のキャッチコピーにも、他任せにせず積極的に自分たちで未来を築くことに取り組んでいこうとする姿勢を感じる。

 寄付には、金銭の寄付だけでなく、物品の寄付や、ボランティアも時間の寄付もある。防災や減災、それはいわば「安心を寄付する」こと。

 平成という一区切りをする、年の瀬に当たり、ぜひこのことを考えていだたければ幸いである。

  
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