「あなたの家は、『一生モノ』ではありません。『買えば安心』は大間違い」
と、マンションに住んでいる人やこれから購入しようとする人への警告ともとれる新刊書『すべてのマンションは廃墟になる』(イースト新書)が発売された。著者は、これまでもマンション不動産市場について価格の暴落を予言するなど辛口のコメントをしてきた住宅ジャーナリストの榊淳司氏。著者にインタビューして今年の不動産市場についても聞いた。
「誤ったイメージ」
いまや、多くのサラリーマンは就職して結婚すれば家を買う、大都市の場合、多くが分譲マンションの購入するのが当たり前となっている中で榊氏は、
「多くの人は分譲マンションに対してかなり誤ったイメージを抱いている。幻想と言っていいだろう。それは、『マンションを購入すると自動的に幸せになれる』というものだ。
あるいは、『マンションを買うことは資産を築くこと』という感覚で購入を決断している場合も多く見かける。こういったイメージや感覚は部分的、短期的には正しい場合も多い。
しかし、全体的あるいは中長期的には誤っていると断言していい。最終的には所有しているマンションが廃墟化してしまう可能性も高い。廃墟化の危機を迎えるのは、地方や遠隔郊外のマンションだけではない。現在、日本に存在するマンションのほとんどが、廃墟化への時限爆弾を抱えている」
と、空恐ろしい指摘をする。