赤坂英一の野球丸

2019年4月10日

»著者プロフィール

 のっけから手前味噌な話で恐縮だが、今年のプロ野球開幕戦当日は、私のライター人生においても大変特別な一日となった。この日の朝、地元紙・中国新聞の朝刊(3月39日付)1面に、広島カープOB・達川光男さんの初の著書『広島力』(講談社1000円=税別)の全3段広告が掲載されたからである。

 それがどうした、と言われるかもしれないが、達川さんの言葉を文章にしたのはこの私であり、表紙にも広告にも「構成:赤坂英一」と明記されている。広島県竹原市出身の私の名前が子供のころから愛読してきた地元紙の1面に、それもマツダスタジアムでカープの開幕戦が行われる当日、これほど大きく掲載されたら、やはりうれしい。親戚や同級生に散々冷やかされ、私の親が喜んでいたことも付記しておく。

 これでカープが開幕カードの巨人3連戦に勝ち越していれば万々歳だったのだが、結果は1勝2敗と負け越し。威勢がよかったのは初の開幕投手・大瀬良大地が巨人に移籍した丸佳浩を4打席連続三振に仕留め、5-0で快勝した開幕戦1試合だけ。とくに3戦目は2-2の同点から守備に乱れが出て、守護神の中﨑翔太に今季初黒星がつくという、痛い上に後味の悪い敗戦となった。

 もっとも、これ、十分に予想された事態ではあるのだ。達川さんは順位予想でカープを首位としたが、昨季のようにぶっちぎりで独走するとは考えておらず、「優勝決定直前までつばぜり合いが続くはず」と言う。私も開幕当日の朝、レギュラー出演しているTBSラジオ『森本毅郎スタンバイ!日本全国8時です』で「開幕カードは巨人の2勝1敗」と予想。カープは現在3カード連続で負け越しており、シーズン終盤まで抜け出そうにも抜け出せない、苦しい戦いが続くだろう。

 その最大の要因はやはり、丸が抜けてポッカリと空いた打線の穴、頼れる3番の不在である。昨季、打率3割6厘、97打点、39本塁打に加え、セ・リーグ最高の出塁率4割6分8厘をマークした3番打者がいなくなって、赤ヘル打線から最大の武器だったつながりが途絶えた。

 人的補償で巨人から移籍してきた長野久義が〝ポスト丸〟として期待されながら、キャンプ中のコンディション不良と死球の後遺症を引きずったまま。キャンプ、オープン戦でも結局これという後継者は見つからず、丸の穴を埋められないまま開幕を迎えざるを得なかった。

 そうした現状を踏まえて、緒方孝市監督は開幕3連戦に負け越した後、会見で「打順はグルグル変えていく。誰かを(3番に)固定して使っていこうとは端から考えていない」と発言。東出輝裕打撃コーチも「3番は毎日が白紙。選手の成長を見ながらの起用になるでしょう」と語っており、今後3番は日替わりでの起用になる可能性が高い。

 緒方監督自身が言うように、「誰かを(3番に)使っているうちに(3番に)ハマれば(打順も)固まっていく」だろう。現状では西川龍馬や野間峻祥らが使われているが、これから様々なパターンが試されることになりそうだ。

 私が「足のある野間を1番に持ってきて、1番の田中広輔を3番に据えたらどうですか」とチーム関係者に進言したら、「難しい。広輔も3番向きとは言えないから」と、こういう返事が返ってきた。

 「本当は長野が復調して3番にハマれば一番いい。たとえ丸ほどの数字を残せなくとも、巨人時代のようにここぞというところで試合を決める勝負強さ、粘って後ろにつなぐしぶとさを発揮してくれれば、十分代役は務まる。そうして、巨人から移籍してきた長野に3番は渡せないと、野間、西川、安部(友裕)らが発奮し、チーム内での競争が激しくなれば、チーム全体が活性化してくるんですけどね」

関連記事

新着記事

»もっと見る