2024年5月13日(月)

Wedge REPORT

2020年6月15日

警鐘を鳴らされたと解釈する

 実際にある球団関係者は、球団が契約する心理カウンセラーからの提言をもとに「選手や現場スタッフらがコロナ禍の長い自粛生活で欲求不満になり、開幕と同時に〝もう大丈夫なんだ〟と自我も決壊して今まで以上にハメを外してしまう流れを心配している」と指摘している。

 その上で「そういう意味でもスキャンダルを起こしてしまった渡部さんの転落人生は決して他人事ではなく、我々としても警鐘を鳴らされたと解釈する必要性がある」とし、このようにも述べている。

 「選手ら現場スタッフはいわゆる合コンや夜の街で女性と酒席を共にする場を事実上、持てなくなった。今後段階を踏んで自粛ムードが解禁となっていっても、プロの選手たちには社会の目がある。シーズンが(6月19日から)開幕になり、たとえば遠征先で今までなら水商売の店にそそくさと出掛けて夜の街に繰り出すこともできただろう。ところが12球団で厳守が義務付けられるコロナのガイドラインで、そんな遊びも不可能になった。

 特に東京近郊の銀座や六本木あたりならば、一般人のSNSから発信される情報も基にしながら週刊誌の目も常に光っている。選手ら現場スタッフが特に今季は過密スケジュールとなるシーズン中も息抜き場がなく、ずっと缶詰め状態になることで〝発散〟したくてウズウズしてしまうのは容易に想像がつく。管理する側のこちらとしては無論、出歩くことなく大人しくし続けていてほしいが彼らの心の中まで制御することは不可能な話だ。本人たちの自覚を信じて徹底させるしかない」 

 この球団を含め複数の球団は新人寮生たちを中心に開幕後も定期的に座学を開講するなどして注意喚起を行っていく方針を固めている。前出の関係者によれば「その場ではおそらく渡部さんの一件も悪い一例として題材にしながら、講義を進めていくことになろうかと思う」という。

 球界内では「渡部さんのように火遊び感覚で手を出すようなことをすれば、それこそ大やけどを負うことも十分考えられる。逆に言えば、それをネタにされてメディアに売られてしまうかもしれない。そうなれば本人もプロ野球界も大ダメージになる」とハニートラップを警戒する声もあって開幕前から早々と警戒網が敷かれているようだ。

 皮肉なことに渡部氏の不倫騒動は、開幕を直前に控えたプロ野球界全体にも「言語道断の蛮行」として訓戒させる形につながったと言っていいかもしれない。

  
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