世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年7月9日

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 6月7日付Heritageウェブサイトで、Dean Cheng米ヘリテージ財団研究員が、中国がアジア安全保障会議(「シャングリラ対話」)に格下げの参加者を派遣してきたことは、米国にとってチャンスであり、地域諸国との連帯を固め、アメリカ自身の東アジアにおける防衛力を強化すべきである、と主張しています。

 すなわち、「シャングリラ対話」には、昨年、中国は、国防部長(大臣)級を送っていたのに、今回は、AMS(Academy of Military Science)のvice president であるLieutenant General Ren Haiquanを参加させた。これは、中国の内政事情によるものかもしれない。中央軍事委員会の人事の入れ替えもあり、残留する軍事委員会のメンバーも、シャングリラに出席して、失言する危険を避けようとしているのかもしれない。しかし、他面、中国の国防大臣は訪米したり、ASEANの会議に出席したりしている。中国の言論が最近、とみに、挑発的、反米的になっているところを見ると、あるいは、アメリカに対する対決姿勢を示し、地域諸国に対してアメリカと中国のどちらを選ぶか選択をせまっているのかもしれない。

 このことは、アメリカにとっては絶好の機会である。ここで、米国は、地域における演習や交流を大いに促進すべきである。

 中国は、米国はアジア太平洋に属さないと言っているが、アメリカは、この地域の不可欠の一員であることを示すべきである。直ちに、アジア諸国との軍事交流を促進し、アメリカはアジアから引きつつあるのでなく、存在が増大しつつあることを示すべきである。また、海軍力を増強し、西太平洋を守る米国の決意を示すべきである、と論じています。

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 ディーン・チェンは、薄煕来事件に際しても、今こそ米国が中国に対して強硬な措置を取るチャンスだと言っていました。その時の論説では、薄煕来事件が中国共産党首脳部の中国国民に対する信頼性を失墜させたので、米国が攻勢に出るチャンスだと論じ、それには説得力がありました。

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