安保激変

2012年7月6日

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小谷哲男 (こたに・てつお)

日本国際問題研究所 主任研究員

1973年生まれ。同志社大学大学院法学研究科博士課程満期退学。ヴァンダービルト大学日米関係協力センター客員研究員、岡崎研究所特別研究員等を歴任。専門は日米同盟と海洋安全保障。法政大学非常勤講師及び平和・安全保障研究所・安全保障研究所研究委員を兼務。中公新書より海洋安全保障に関する処女作を出版準備中。

海兵隊はもっと地元の説得に努めよ

 海兵隊にも改めるべきところがある。海兵隊はオスプレイの必要性を地元に説得する努力を怠ってきた。2008年に原子力空母「ジョージ・ワシントン」を横須賀に配備する前に、当時のケリー在日米海軍司令官が地元にその必要性と安全性を丁寧に説いて回ったのとは対照的である。海兵隊は、オスプレイにしても普天間の問題にしても地元に一方的に「講義」をするだけで、異論を挟む相手を論破してしまうことも多い。それでは地元を納得させることはできない。海兵隊は、姉妹組織である海軍の経験から、地元に自らの存在意義を理解してもらうことが作戦運用上も必要なのだと学ぶべきである。

 オスプレイの配備は、普天間飛行場移設の必要性を改めて示している。そもそも、普天間の移設は人口密集地における事故の危険性を除去することが目的であった。当初の予定通りに移設が進んでいれば、14年には移設が完了し、オスプレイもより安全な代替飛行場に配備されるはずであった。

 普天間移設にもオスプレイ配備にも反対する人たちは、今一度当初の目的に立ち戻り、このまま普天間を固定化させ、ベトナム戦争時代のヘリを配備し続けることがいいのか、移設を早急に進めてオスプレイをより安全な飛行場に移すことがいいのかよく考えるべきである。

 普天間に配備されるオスプレイはかつて「未亡人製造機」と呼ばれた「プロトタイプ」ではなく、徹底的に改良された「マークII」である。運用の安全性は訓練プログラムの改善によってさらに高まっていくだろう。当面は市街地上空でのヘリから飛行形態への変形は自粛することで、地元の不安もある程度解消できるのではないか。オスプレイの配備を普天間移設の契機とし、抑止力の向上と地元負担の軽減につなげていくことを期待したい。

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