世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年9月28日

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 8月21日付New York Times紙で、Alexander Cooley米コロンビア大学バーナード校教授は、米国のアフガン撤退は、中央アジア諸国において、過激派の台頭を許し、今後の米国の援助は、腐敗の原因となり、また、中国及びロシアの勢力拡大を促すだろうから、米国は、11年間の努力を無に帰しつつある、と論じています。

 すなわち、米国の「新シルクロード」戦略は、アフガニスタンのインフラを中央アジアと結ぶことでアフガニスタンの持続的発展を促進しようとするものであるが、これが却って同国の高官の更なる腐敗や私服肥やしに繋がる可能性がある。

 ロシアは、自ら提唱する関税同盟にキルギスタンとタジキスタンを加盟させるべく圧力をかけており、他方、中国も新しいインフラの建設を続けている。中央アジア諸国は、域内の貿易通商を促進するどころか、新しい収入を引き出すために域外からの経済イニシアティブを活用しつつあるかに見える。

 11年間もアフガニスタン政府の統治能力を向上し、民主的な制度・機構を作り上げるよう圧力を加えて来たにもかかわらず、米国は、近隣諸国で同様の目標を効果的に推進できていない、と論じています。

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 中露もかかわるマクロな地政学的ゲームという点では、“A New Great Game”と言えるかもしれませんが、国際情勢の大局から見れば、大局とは程遠い中央アジアの地域的ゲームです。

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