世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年5月1日

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 ウォールストリート・ジャーナル4月11日付で、米ブルッキングス研究所のMichael O'HanlonとBruce Riedelが、タリバンはわれわれ以上に苦しい状況にある、撤退を急ぐべきではなく、現在の出口戦略に基づく撤退ペースを守るべきだ、と論じています。

 すなわち、アフガンでは、勝利は見えないが、夜間攻撃をアフガン軍に任せる合意が成立するなど、状況は改善しており、われわれは多くの人が考える以上に目的達成に近い。米国では悲観論が強いが、諦観や早すぎる撤退は避けるべきだ。

 他方、タリバンは、カルザイ政権は腐敗した傀儡政権で、NATOが去ればすぐ崩壊する、NATOは早期撤退を望んでおり、米兵乱射事件が示すようにアフガン人を大事に思っていない、われわれは勢力を強めている、と言っているが、これは空威張りというものだ。パキスタンには聖域があり、指導部は生き残っているが、地区司令官の多くは殺され、平均年齢は35歳から23歳にまで下がっている。このように、敵はわれわれよりもずっと苦しい状況にあり、そのため、和平交渉にも出てきたりしている。

 実際、カブールはバグダッドやカラチよりも安全な都市になっており、南部では攻撃が減っている。北部と西部でも少なくとも情勢は悪化していない。カルザイは問題だが、2014年には退陣する予定だ。今後、彼に代わる人物や政治勢力と協力する必要がある。

 反乱は続くだろうが、目標は、アフガン軍が自前で反乱を抑えるようになることであり、1~2万の外国軍がいれば、それは可能だ。ただ、時期尚早に外国軍を1~2万にまで減らしてしまうと、東部は反乱勢力に浸透され、外国軍とアフガン軍の協力も上手く行かなくなる。われわれは出口戦略を持っているのであり、今重要なのは急がないことだ、と言っています。

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 アフガン情勢をずっとフォローしてきたオハンロンやライデルが、もう少し頑張れば、そして2014年後に1~2万の米軍駐留が実現すれば、アフガン治安部隊がそれなりに国内治安を担える状況が出現する、と判断していますが、これは楽観的に過ぎるように思われます。現地の軍は、戦争はうまく行っていると報告しがちであり、それに影響されている可能性があるかもしれません。情報機関はもっと悲観的な見方をしている可能性があります。

 具体的には、2014年以降、アフガンに顧問団を残すことは許容範囲でしょうが、米世論がアフガン戦争に否定的になっている今、2014年以降、1~2万の米軍の残留させるのは難しいように思われます。

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