経済の常識 VS 政策の非常識

2012年10月10日

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輸出が伸びない日本

 韓国の李明博大統領が竹島に上陸したことと関連し「国際社会での日本の影響力も以前とは違う」と述べ、日本の国力が落ちたとの認識を示したことが話題になっている(8月14日産経新聞)。残念ながら、経済に関して言えば、これは明らかな事実である。

出所)IMF,World Economic Outlook Database, OECD Database
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 1990年にアジアの目抜き通りの交差点に立ってみれば、日本の家電、ハイテク、自動車企業の広告が圧倒していた。ところが今や寂しい限りで、韓国や中国企業の広告が進出している。

 図1は、世界と日本と韓国の輸出数量指数の推移を見たものである。1990年から現在まで、日本の輸出は2.5倍にしか増大していないのに、韓国の輸出は11.4倍になっている。IMFのいう発展アジア(要するに日本を除くアジアと考えて良い)の輸出は11.7倍になっている。先進国である日本には発展途上国ほど輸出を伸ばすことはできないという反論があるかもしれないが、日本の伸びは世界全体の3.6倍、先進国の3.0倍よりも低いのである。

 日本の隣が発展アジアである。発展アジアと同じ率で輸出が伸びなければ、「国際社会での日本の影響力」が低下するのは当然である。

真の犯人は円高

 なぜこんなことになってしまったのだろうか。図には円と韓国ウォンの対ドルレートを右目盛りで示している(作図のために韓国のウォンの値は10分の1にしてある)。円もウォンも大きく変動しているが、1990年から現在までドルに対して、円が1.9倍に増価しているのに、ウォンは4割減価している。ウォンは対円では3分の1に減価していることになる。これが日本の輸出を減退させ、韓国の輸出を急増させたことに間違いはないだろう。

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