2024年5月10日(金)

Wedge REPORT

2021年10月8日

 iPhone 13シリーズの売れ行きが鈍い。

 全国の主要量販店などの販売データを集計しているBCNによると、iPhone 13シリーズが発売となった2021年9月24日~9月30日までの7日間の販売台数は、20年10月から順次発売となったiPhone 12シリーズの初期7日間の販売台数合計に比べて、44.7%減と、約半分に留まっている。

また、19年9月に発売されたiPhone 11シリーズ全体と比較しても、26.5%減となっており、18年9月に発売されたiPhoneはiPhone XS/ XS Max/ XR、17年11月に発売されたiPhone Xシリーズの販売台数も下回っている状況だ。

 最大の理由が、iPhone 13シリーズそのものの供給に遅れが見られていることだ。

 大手量販店でも在庫が少なく、予約受付中となっているモデルが多いほか、アップルストアでも、iPhone 13は2〜3週間待ち、iPhone miniでは7~10日待ち。さらに上位モデルのiPhone 13 ProやiPhone 13 Pro Maxでは4~5週間待ちとなっている。

 コロナ禍において、ロックダウンに伴う工場閉鎖や輸送手段の確保の遅れなど、サプライチェーンの分断があちこちで発生。部品不足や供給の遅れが世界規模で発生しており、この影響がiPhone 13シリーズにも発生している格好だ。

 売れ筋になっているiPhone 13や、日本で人気が高いiPhone miniは、比較的早い段階で購入ができるが、iPhone 13 ProやiPhone 13 Pro Maxは、21年11月以降にならないと安定供給が行われないという見方もある。

それでも高いシェア

 だが、国内キャリア各社がiPhone 13シリーズのテレビCMを積極的に展開しているように、同製品が、今年後半の目玉であることには変わりがない。

 それは、シェアという観点から、浮き彫りになる。

 BCNによると、21年9月のiPhoneのシェアは58.5%に達しており、20年9月の42.5%、19年9月の54.5%を大きく上回っているからだ。

 20年9月はiPhone 12の発売直前という事情もあり、iPhoneのシェアは5割を切っていたが、今回と同じく9月に新製品として、iPhone 11が発売となった19年9月と比べても、今年はそれを上回るシェアとなっている。

 部品不足を背景にしたスマホ本体の品薄の状況は、アップル以外も共通であり、供給状況が改善されれば、アップルのシェア拡大にさらに弾みがつく可能性がある。


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