ヒットメーカーの舞台裏

2013年4月4日

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池原照雄 (いけはら・てるお)

ジャーナリスト

1950年生まれ。専門紙や全国紙の経済記者として自動車、エネルギー、金融、官庁などを担当。00年からフリーになり幅広い執筆、講演活動を展開。著書に「トヨタVSホンダ」(日刊工業新聞社)、「図解雑学 自動車業界のしくみ」(ナツメ社)など。

 振動の低減を徹底追求した製品に仕上げ、売り方でもその機能を強くアピールした。

「メチャカル ファーストα」の「エッグショック」シリーズ

 2012年8月と10月に、既存の2製品に、「振動レスシステム」搭載車として設定、11月には同等機種との比較で前年比3倍近い出荷となった。コンビのベビーカーでは過去最多の初期出荷という。

 素材メーカーと共同開発し、従来も採用していた低反発ウレタン素材「エッグショック」の用途を広げるとともに、新設計の衝撃吸収型タイヤなどにより、振動の低減性能を高めた。同社の主力ベビーカー「メチャカル ファーストα」と「ディアクラッセ オート4キャス」に「エッグショック」シリーズとして投入している。価格は前者が4万2000円からで、後者は5万2500円から。

 商品企画を担当したのは、プロダクトセンター第2商品開発室・第3開発グループリーダーの細谷周史(35歳)。開発が具体化したのは11年だが、「振動」に焦点を当てることになった背景には、その2年ほど前から細谷が取り組んできた、地道なニーズの発掘作業があった。

 09年にベビーカーの担当になった細谷は、この年パパにもなった。顧客の購入動機や製品に期待することを、種々の調査データなどをもとに分析したが、自ずと熱も入った。乳幼児を乗せる製品なのでニーズとしては、やはり「安全性」が最も高かった。細谷はそれで調査や分析を終わりにするのでなく、より踏み込んでみた。

 コンビが母親のモニタリング組織として設置している「ライフデザインプロジェクト」のメンバーに、ベビーカーにおける安全性についてのインタビューを行い、延べ約1100項目の指摘を得た。

 これらの指摘項目を分析していくと、ほぼ3つのポイントに集約することができた。

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