オトナの教養 週末の一冊

2013年6月14日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

 福島原発事故以降、さほど取り上げられなくなった感のある地球温暖化だが、先月アメリカ海洋大気局はハワイ島で観測している大気中の二酸化炭素が1958年の観測開始以来初めて400ppmを超え、温暖化が加速していると発表した。

 地球温暖化対策などの環境問題には当然莫大な費用が掛かる。そうした費用をどのように捻出すればいいのか。そこで『環境金融論』(青土社)を4月に上梓した上智大学環境大学院の藤井良広教授に「環境クレジット」や「ヨーロッパの環境銀行の取り組み」などについて聞いた。

――「環境金融」という言葉は先生がつくられたということですが。

藤井良広氏(以下藤井氏):単に「環境」と「金融」をくっ付けただけなんですが(笑)。それはさておき2004年に新聞で「競う欧州環境金融」という連載記事を掲載して以降、意識的にこの言葉を使うようにしてきました。また、日経新聞から上智大学環境大学院へ移る際に、長年、大学で研究されている先生たちと同じような研究を私がしてもなかなか太刀打ち出来ないだろうと思い、ならば新しい自分のフィールドをつくろうという気持ちもありました。

 記者時代には、環境問題を取材した経験やロンドン駐在経験もありました。ヨーロッパを見渡すと、Financial Times紙の元編集者の方が「Environment Finance」という雑誌を発行していたり、イギリスやオランダには、そうした分野の研究者がいたりしました。しかし、「環境」と「金融」を結び付けるという発想が、まだ当時の日本では馴染みがなかった。そこで、私自身が、環境と金融という業際を開発しようと思ったのです。

 現実社会の多くの問題には、業際に解決の糸口があることも多いのです。環境金融の考え方では、コスト対策、ビジネス機会の両面でファイナンスが機能し、環境を適切に評価できれば、より合理的に経済社会に環境要因を取り組むことができるはずです。ですから環境と金融の2つのフィールドをいかに組み合わせるかをテーマに、大学へ移ってからの8年は研究に取り組んできました。

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