4Kテレビは、技術至上主義を脱せない
日本の製造業の象徴

ユーザー目線を取り戻せ


八尋俊英 (やひろ・としひで)  日立コンサルティング取締役

1965年生まれ。日立コンサルティング取締役。IT分野の投資銀行業務を学んだ長銀を最初に、ソニーを経て中途採用第1期生として2005年経済産業省入省、情報処理振興課長、官房参事官を経て退職。直近2年はシャープにて新ビジネスに取り組み、クラウド技術開発本部長、2012年11月退職。2013年1月より現職。4月より東大生産技術研究所協力研究員。一貫して新しい部署・新設ポストで新開拓を続ける。

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3Dテレビが不発に終わり、次に来たのは4Kテレビ。しかし、ユーザーにとって画面が綺麗になったという以外にどんなメリットがあるのか分からない。これから必要なのは、押しつけにも等しい技術のアピールではなく、企業からユーザーに共感できるコンセプトを打ち出すことだ。

 例えば、GEの「ヘルシーマジネーション(healthymagination)」。医療機器開発において、商品化時期を、社内に既にある技術をベースに決めることをしない。彼らにとって、社内に技術がないことは何の問題にもならない。むしろ、外から探すことを専門にしたチームを持つくらいだ。世界中の医者、政治家、ベンチャー企業までをネットワーク化して、知恵を出し合う。

 グローバル金融で世界のこうした変化を感じとった元長銀(日本長期信用銀行、現・新生銀行)マン、若山健彦氏がユーザー目線のモノづくりで付加価値を高めようと、現場に入って奮闘している。長銀時代、私と同時に銀行からの留学組に選抜され、米スタンフォード大のMBAに進んだ。外資系投資銀行や、ネットバンクの立ち上げ、ファンド会社の社長を経て、今は自らのファンドを運用、ミナトエレクトロニクス(ジャスダック上場)という中小企業に出資し、経営者として腕を振るっている。

 ミナトエレクトロニクスは、半導体検査装置で日本有数のメーカーで1980年代から急成長したが、半導体工場が激減したあと、経営は厳しくなっている。タッチパネルやICデバイスへのプログラミング装置で、国内トップクラスのシェアを維持しているものの、業績は決して楽ではない。

 ミナトは、下請けに入るのではなく、ユーザー目線に立って、必要なパートナーとして適宜大手企業を選び、大手と連携したモノづくりに付加価値をつけることで業績を回復させようとしている。

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八尋俊英(やひろ・としひで)

日立コンサルティング取締役

1965年生まれ。日立コンサルティング取締役。IT分野の投資銀行業務を学んだ長銀を最初に、ソニーを経て中途採用第1期生として2005年経済産業省入省、情報処理振興課長、官房参事官を経て退職。直近2年はシャープにて新ビジネスに取り組み、クラウド技術開発本部長、2012年11月退職。2013年1月より現職。4月より東大生産技術研究所協力研究員。一貫して新しい部署・新設ポストで新開拓を続ける。

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