世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年12月10日

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 米AEI日本研究部長のオースリンが、ウォールストリート・ジャーナル紙に11月5日付で「東シナ海で緊張はエスカレートしている」との論説を寄せ、尖閣問題での対立の危険性を指摘し、日米はもっと危機解消のための外交努力をするとともに、いざという時の対応を話しあっておくべきである、と論じています。

 すなわち、東シナ海は無人航空機で始まった最初の戦争になるかもしれない。日中は早く領土紛争を解決しないと、軍事衝突に向かうことになる。内外で傷ついているオバマのもと、米国はこの紛争で何の役割も果たしていない。

 日中領土紛争で野田政権は失策を犯した。尖閣を国有化したが,中国はすぐに反日デモで対抗し、かつ中国の監視船と日本の海上保安庁との対決が始まった。空軍も出てきた。2か月前、中国は紛争地域に無人機を送り、日本は撃墜すると言い、中国は無人機への攻撃は戦争行為であると言っている。

 中国は軍事技術を誇示している。日本軍も近代化している。

 無人航空機の問題は、日中間での外交関係の欠如を示している。安倍は世界での日本の立場を再建することに関心があり、習近平には日本との緊張を緩和する姿勢はない。

 アジアでは、地域紛争は力によってしか解決されないとの懸念が出てきており、中国と領土紛争をかかえる小国は神経質になっている。意味のある地域政治メカニズムの構築は難しくなっている。

 米国は日中の領土主張のいずれをも支持するのを避けたいだろうが、戦争は誰の利益にもならない。特に米国は日本と同盟条約がある。尖閣をめぐる危機は、東アジアの力の均衡を変えるだろう。日本が1世代にわたり支配して来た領土を明け渡すことになるか、あるいは中国が引き下がり、現行の国際秩序に対してますます反感を募らせることになるかである。

 少なくともケリーはアジアに彼の交渉好きを持ってくる時期である。日中間の諸問題を考えると、危機外交の時期であり、それが日中双方に事態の深刻さを分からせることになろう。

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