研究と本とわたし

2014年10月1日

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木村克彦 (きむら・かつひこ)

フリー編集者・ライター

1957年、東京都生まれ。フリー編集者・ライター。この数年は精神医学と市民をつなぐ媒体づくりにも力を注いでいる。関連する編書に『うつにサヨナラ』、『脳とこころ』(ともに小学館)などがある。

──大阪府豊中市で幼少期をお過ごしになったそうですが、いま振り返ってみて、どんな少女時代でしたか? 

小長谷有紀氏(以下、小長谷氏):“家出系”の少女でした(笑)。お気に入りの、赤い電話の玩具を風呂敷に包んで、小さな探検によく出かけていました。いまならば携帯電話だろうけど、これさえあればどこにいてもつながるという、コミュニケーションの幻想があったのでしょうね。

小長谷有紀氏 (撮影:書籍部)

 わたしは大阪の衛星都市である地域で社宅に住んでいて、小学校へは歩いて30分ほどかかっていたのですが、通学路に大きな竹藪があり、そこへ分け入って秘密基地をつくったり、とにかく遊びまわっていたという記憶がつよいんですよ。

 “研究者のわたし”を育てた半分は、そこで培われた想像力だと考えています。もちろん家出をすすめるわけではまったくないけれど、子どもが本来もっている、自然や社会といったリアルな世界への探究心がいかにだいじなものなのか、まず伝えておきたいと思います。

 リアルな体験も読書体験も、同じように重要なんですよ。当時、本はほとんど学校の図書館で借りていましたね。それから貸本屋。自分でお金を使い、読書を自らマネジメントするわけでしょ。ちょっぴり大人の気分で、すごく楽しかった。

 わたしは中学生で小説を書くほどの文学少女でもありました。たくさんの本を読みました。中でも、どこかおどろおどろしい表紙絵の本に魅かれていた。たとえば江戸川乱歩の「少年探偵シリーズ」。少年探偵団と怪人二十面相です。ちょっとどぎつい図柄が、ものすごく魅力的でした。

 それから印象深いのは、女の子が主人公の漫画やアニメ。“魔法使い系”の「魔法使いサリー」(横山光輝作)や「ひみつのアッコちゃん」(赤塚不二夫作)、それから男装の麗人となる“変装系”の「リボンの騎士」(手塚治虫作)とかね。

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