消える「定年」
健康な限り働く時代へ


Wedge編集部

WEDGE REPORT

ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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定年制がなくなりつつある。高齢者なくして成り立たない業界も出てきた。一方、高齢者側にも働かねばならぬ理由がある─。

 「今日はいいブリが入ったんですよ」。リンコスリバーシティ店(東京都中央区)の鮮魚コーナーで働く茂木勝利さん(69歳)は話す。リンコスは首都圏を中心にスーパーを展開するマルエツ系の店舗だ。

マルエツ系列のスーパーで魚をさばく茂木勝利さん(69歳)

 現在マルエツは65歳以上の高齢者の採用を積極的に進めている。背景にあるのは「人手不足」だ。「昨今店員の採用に四苦八苦しています」(人事部の羽山道人課長)。サービス業や建設業を中心に、従来主力として働いていた若年層の採り合いが激化し、単価の高い派遣社員を雇わざるを得ない状況が続いているという。「魚屋で働いた経験があり、腕が確かで目利きができる茂木さんにやめられては困る」と話す小薬善夫店長代行の表情からは危機感が感じ取れる。

 札幌を中心にお好み焼き屋を展開する風月も高齢者を積極採用している。二神敏郎社長(71歳)は「そもそも定年という概念がおかしい」と疑問を呈する。「働けるうちは働けばよい」という考えだ。新札幌duo−2店で働く青木由美子さん(67歳)に働く理由について問うと「生活のため」との答えが返ってきた。月に5万円程度の年金だけでは生活が苦しいという。「働けば孫にもお小遣いをあげることができるじゃないですか」と話してくれた。

札幌市内のお好み焼き屋、風月で働く青木由美子さん(67歳)と二神敏郎社長

 

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