経済の常識 VS 政策の非常識

2015年2月12日

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 地域振興券とか、一時金の支給とかの政策はバラマキで愚かな使い方と評判が悪い。しかし、ばら撒かないで特定の大きな支出に使えば良いのだろうか。

大規模な公共事業は無駄ではないのか

 大規模な公共事業は、間違いなく特定の大きな支出である。では、それはバラマキよりも賢い支出なのだろうか。

 これまで公共事業で無理やり地域の雇用を護ってきた。だが、様々な公共事業、例えば、利根川の支流である群馬県の吾妻川で建設されている八ッ場ダムを見れば誰しもが思うだろうが、総額1000億にもなるだろう工事で、どれだけの雇用を作ったのだろうか。あのような大規模な工事で、地元の企業のできることはしれている。地域の雇用は生まれず、ほとんどが鉄とコンクリートに消えてしまったのではないだろうか。

 あるいは東日本大震災からの復興工事としてなされている防潮堤である。防潮堤の耐用年数は60年程度である。あの大震災が本当に1000年に一度のものなら、次に来る時には防潮堤はもう壊れている。その建設費用は、漁港や水産加工場や住宅の再建に使った方が良いのではないだろうか。港の近くで働いている人は、自力で逃げる力を持っている。港から離れたやや高い土地に建てられた住宅は、1階は壊れても2階は無事だったところが多い。1階をコンクリートで補強した住宅を作れば、2階は安全になる。集中的にお金を使うより、人々にコンクリート補強の費用をばら撒いた方が賢いのではないだろうか。

 実際にばら撒くお金はある。岩手県全体で建設される防潮堤の工事費は2700億円である(「2700億円の巨大防潮堤は誰のため?」WEDGE2012年7月号)。一方、岩手県で、震災で浸水した地域の人口は10.8万人である(統計局統計調査部地理情報室「浸水範囲状況の基本単位区(調査区)による人口・世帯数」)。2700億円を10.8万人で割ると、一人当たりは250万円である。家族単位で考えれば、住宅を強化するお金は十分にある。

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