韓国の「読み方」

2015年2月23日

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澤田克己 (さわだ・かつみ)

毎日新聞記者、前ソウル支局長

1967年埼玉県生まれ。慶応義塾大法学部卒、91年毎日新聞入社。99~04年ソウル、05~09年ジュネーブに勤務し、11~15年ソウル支局。15年5月から論説委員。著書に『「脱日」する韓国』(06年、ユビキタスタジオ)、『韓国「反日」の真相』(15年、文春新書、アジア・太平洋賞特別賞)、訳書に『天国の国境を越える』(13年、東洋経済新報社)。礒﨑敦仁慶応義塾大准教授との共著『LIVE講義 北朝鮮入門』(10年、東洋経済新報社)を大幅に改訂した『新版 北朝鮮入門』(東洋経済新報社)を17年1月に刊行予定。

 私の勤務する毎日新聞ソウル支局は、ソウル都心にある韓国の新聞社の中にある。この新聞社には、社員の福利厚生用として簡単なスポーツジムが設置されていて、シャワー室もある。新聞社に限らず、韓国の大手企業にはこうした施設を持つ会社が多いようだ。私のような提携社の社員も有料で使わせてもらえるのだが、数年前に使い始めた頃、シャワー後に更衣室で「おやっ」と思ったことを覚えている。ドライヤーやブラシの置かれた台に、基礎化粧品と思える瓶が何本も並んでいたからだ。

 韓国は、日本に比べるとかなり乾燥している。特に冬場は乾燥がひどいため、スキンローションを身体中に塗らないと肌荒れで大変なことになるという人も多い。私も30代の頃は問題なかったのに、40代も半ばになった最近は、冬場のローションを手放せなくなった。だから、シャワー室にスキンローションが置かれているのは当然なのだが、並んでいたのはそれだけではなかった。化粧水であるトナーや、乳液のエマルジョンも置かれていたのだ。会社の福利厚生施設の備品として、男性シャワー室に基礎化粧品まで置かれていることは少し驚きだった。

高成長続ける男性化粧品市場

 韓国の大手化粧品会社「アモレ・パシフィック」によると、韓国の男性化粧品市場はここ数年、毎年10%前後の高成長を続けている。2008年に約6000億ウォン(現在のレートで約640億円)だった男性化粧品の市場規模が、13年には1兆ウォン(同約1070億円)を超えた。韓国人男性のスキンケアのための1人当たり年間支出は25ドル30セントで、世界最高なのだという。

 同社によると、韓国人男性が朝に使う化粧品の数は平均3.7種類。化粧には縁のなかった私が、説明してくれた同社広報の方智暎さんに「そんなに使うんですか?」と聞くと、当然のことのように軽く説明してくれた。

 「まずトナー、それからエマルジョン、エッセンス。ここまでで3種類です。さらに使う人は、クリームで、日差しの強い季節だと日焼け止め効果のあるサンクリームになったりします。さらに、韓国人男性の10人に1人は、BBクリームを使っているという調査結果もあるんですよ」

 周囲の韓国人男性に聞いてみると、私と同年代でも2種類や3種類は使っているという人が珍しくない。「乾燥する冬場には保湿のために1種類使う」という私は、少数派かなぁと思えてきた。

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