お金稼ぎは生きる基本
小学生はどう学ぶ?


岸 裕司 (きし・ゆうじ)  秋津コミュニティ顧問

1952年東京生まれ。広告・デザイン会社の(株)パンゲア代表取締役、習志野市立秋津小学校PTA会長時に秋津コミュニティ創設、会長を経て現在顧問兼秋津小学校コミュニティルーム運営委員会顧問。文部科学省委嘱コミュニティ・スクール推進員、学校と地域の融合教育研究会副会長、埼玉大学・日本大学非常勤講師、ほか。著書に『「地域暮らし」宣言』『学校を基地にお父さんのまちづくり』(ともに太郎次郎社エディタス)、『学校開放でまち育て』(学芸出版社)など。

「子縁」でつながる秋津地域のお父さん 

東日本大震災以降、「地域の絆」の大切さを再認識したという声をよく聞くが、「地域で生きていく」とは果たして一体どういうことなのだろう。特に、ビジネスマン、若いお父さんたちが「地域で生きる」ことの意味について、「子縁(こえん)」を活かした先進モデルと評価される「秋津」地区の実践をレポートしながら、考えていきたい。

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息子が秋津小学校の6年生のときのこと。

 私が家に帰るなりニコニコして寄ってきて、「お父さん! ビール、飲むんでしょ!」といいながら、冷蔵庫から缶ビールを持ってきました。

 ふだんは見せないサービスに、私は気を良くしながらもなにげないふりをしていました。

 しかし息子は、私の横から離れずに早く飲むことをうながしているようでした。

 「なんか、こんたんがありそうだな?」と、思いましたが特には聞きませんでした。

 1本目が空くころ、待っていたように2本目を持ってきました。

 私はさすがに「なんだ?」と聞きました。

 しかし、息子はうれしそうな顔をしながらも「べつに!」と、いって応えてくれません。

 でも、「お父さん! 空き缶はぜんぶちょうだいね!」と、いいました。

 私は、工作かなんかで使うのだろうと勝手に思いました。

 それが大間違いであることが、翌朝から察せられました。

 今回は、てなことで始まった、秋津っ子の金稼ぎのお話です。

空き缶集めて、ユニフォームを新調!

秋津まつりで子どもが持参した不用品を売り買いして現金のやり取りをする秋津っ子バザーの受け付けをする私

 さて、翌朝から息子はいつもより早く起き、「いってきま~す!」の元気な声とともに、ありったけの空き缶を抱えながら出かける毎日が続きました。

 こんたんはすぐにわかりました。

 ワイフがお母さん仲間から仕入れた情報によると、男子のバスケット・ボールクラブ(男バス)のみんなで空き缶を集めて売って、試合用の新しいユニフォームを新調するとのことなんです。

 これまでのユニフォームは、代々の先輩から受け継いできたのでかなり古くなっていたことから、だれとはなしにいいだして空き缶集めが始まったとのこと。

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「「子縁」でつながる秋津地域のお父さん 」

著者

岸 裕司(きし・ゆうじ)

秋津コミュニティ顧問

1952年東京生まれ。広告・デザイン会社の(株)パンゲア代表取締役、習志野市立秋津小学校PTA会長時に秋津コミュニティ創設、会長を経て現在顧問兼秋津小学校コミュニティルーム運営委員会顧問。文部科学省委嘱コミュニティ・スクール推進員、学校と地域の融合教育研究会副会長、埼玉大学・日本大学非常勤講師、ほか。著書に『「地域暮らし」宣言』『学校を基地にお父さんのまちづくり』(ともに太郎次郎社エディタス)、『学校開放でまち育て』(学芸出版社)など。

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