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中印のコメ需給はバランスするのか?

田牧一郎 (たまき・いちろう)  田牧ファームズ代表

1952年福島県郡山市生まれ。田牧ファームズ代表。コメ生産者として郡山市で15年、カリフォルニアで20年、「国際競争力のあるコメつくり」をテーマにコメの生産・販売を行う。2012年からはウルグアイで事業を開始。世界の「おいしいごはん」マーケットに輸出を計画。日本のコメ産業も強くなれるはずと、日本でも試行錯誤中。

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 一方、消費も生産も世界第5位のベトナムは635万トン生産が消費を上回っています。

 中国の消費と生産のアンバランスは、12/13年から始まっています。それ以降、単年度需給は、マイナスになっています。中国では、毎年作付面積を増やしたり、高反収の新しい稲の品種の開発を多額の国家予算をつぎ込んだりして進めています。

 しかし、この努力も増える人口とそれに伴うコメの消費には追い付かず、恒常的なコメの輸入国になっているようです。

日本米が中国のコメ増産のネックになる

 また、中国の一部の富裕層には美味しい日本の短粒種が人気になっています。吉林・遼寧・黒竜江など東北3省の水田地帯では、「あきたこまち」や「コシヒカリ」など日本品種の作付けをして、上海など富裕層の多くいる大都市へ出荷をしています。ただし、日本の短粒品種の反収は現地で開発された長粒種と比較すると低いという難点があります。そのため、収穫ロスや精米歩留まりも加味すると、高品質の製品として販売できる量は少なくなります。

 生産者にとっては反収が低いのを補うために、高い売価が必要となります。この良食味の品種作付けが増加すると、結果としてコメの総生産量が減少してしまうため、国内の単年度コメ需給は改善されることはなくなります。今後の中国国内人口の増加が抑制され、1人あたりのコメ消費量が減少すれば、コメ国内需給は日本と同じように改善されるでしょう。

  
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◆Wedge2015年3月号より

 

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著者

田牧一郎(たまき・いちろう)

田牧ファームズ代表

1952年福島県郡山市生まれ。田牧ファームズ代表。コメ生産者として郡山市で15年、カリフォルニアで20年、「国際競争力のあるコメつくり」をテーマにコメの生産・販売を行う。2012年からはウルグアイで事業を開始。世界の「おいしいごはん」マーケットに輸出を計画。日本のコメ産業も強くなれるはずと、日本でも試行錯誤中。

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