食の安全 常識・非常識

2015年6月24日

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松永和紀 (まつなが・わき)

科学ジャーナリスト

1963年生まれ。89年、京都大学大学院農学研究科修士課程修了(農芸化学専攻)。毎日新聞社に記者として10年間勤めたのち、フリーの科学ジャーナリストに。主な著書は『踊る「食の安全」 農薬から見える日本の食卓』(家の光協会)、『食の安全と環境 「気分のエコ」にはだまされない』(日本評論社)、『効かない健康食品 危ない天然・自然』(光文社新書)など。『メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学』(同)で科学ジャーナリスト賞受賞。「第三者委員会報告書格付け委員会」にも加わり、企業の第三者報告書にも目を光らせている。

 FDAの資料によれば、2003年の時点で平均的な成人のPHOsからのトランス脂肪酸摂取量は4.6g/日で、1日に2000カロリーを摂取しているとするとそこに占める割合は2.0%に上っていました。マーガリンやパン、菓子等に多く含まれていました。

 乳製品や植物油等として食べる量も含めると、1日のトランス脂肪酸トータルの摂取量は5.8g、エネルギー摂取量の2.6%でした。

 WHOの勧告目標は、総エネルギー摂取量の1%未満。これは、天然由来、PHOsなど工業由来、両方を合わせての目標です。1%未満であるべきなのに、国民平均が2.6%なのですから、アメリカ人の摂取量が、2003年の時点で非常に多かったことがわかります。

 含有量低減が加速した03-06年の栄養摂取調査や製品調査などを基に2010年にも推定が行われています。その際には、2歳以上のアメリカ人のPHOsからのトランス脂肪酸摂取量は平均で1日1.3g(総エネルギー摂取量の0.6%)まで下がりました。

 しかし、人口を、摂取量が多い順に並べて10%のところにある人の数値(90パーセンタイル値)の摂取量は、2.6g(同1.2%)。PHOs由来のトランス脂肪酸のみでこの数値ですから、アメリカ人の摂取量はまだまだかなり多いことがわかります。

 マーガリンやパン、揚げ物等の低減は進みましたが、冷凍ビスケット、ケーキやドーナツなどの表面につけるフロスティング、冷凍ピザ、電子レンジで作るポップコーンなどの中には、高含有量の製品もまだありました。

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