世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年7月31日

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 6月29日付の米ニューヨーク・タイムズ紙は、社説で、米国と中露の間で宇宙戦争が起きることを防止するために、欧州提案の宇宙活動に関する行動規範の作成に中露が参加することが望ましい、と述べています。

画像:iStok

 すなわち、宇宙が危険な対決の場になりつつある。米国は宇宙での中国やロシアなどとの対決に適切な準備ができていないと米国防関係者は述べる。具体的には、国際宇宙ステーションなど地球を回る何千という衛星の安全について懸念が出ている。米国は長い間宇宙で圧倒的な優位を保ってきたが、今や多くの国が衛星を飛ばしている。

 米国防省は、衛星を通じて、戦場で敵の居場所を確定し、軍縮条約の遵守を確認し、あるいはICBMに対し早期警戒を確保している。

 冷戦時代に米ソは限定的な衛星攻撃兵器(ASAT)を開発したことはあるが、今や、中国が、そしてロシアが、活発に電波妨害、レーザー、サイバー武器などを開発している。2007年に中国が初めてASAT実験に成功したが、これが転機になった。更に、中国の専門家が台湾危機の際には中国は米の早期警戒衛星を撃ち落とすだろうと述べたことで、疑念が一層強まった。

 宇宙戦争を防止するには、外交が必要だ。従来この問題を国際的に議論することを拒んできた中国が、米中戦略経済対話で、宇宙協力と衛星衝突回避について定期的に米国と協議することに合意した。今秋のオバマ・習近平首脳会談までに何らかの具体的な前進が見られれば有益だ。

 中国とロシアは、法的拘束力を持つ条約により宇宙での武力行使を禁止することを主張してきたが、専門家は検証が難しいとする。より実際的な方策は、米国とEUが推進している行動規範の作成に中露が参加することである。

 オバマ政権は、防御措置の開発への投資を増やすことにしている。関係者によると、ジャミング対抗措置などの開発のために、向う5年間に、追加的に50億ドルの予算が投入されるだろう。また国防省は高い強靭能力を持つ衛星を開発しようとしている。宇宙対決がエスカレートすれば、すべての大国が損をするだろう、と述べています。

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