未婚大国ニッポン~“絆”のゆくえ 「まだシングル、ずっとシングル」

2015年8月31日

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にらさわあきこ (にらさわ・あきこ)

文筆家

NHKディレクターとして海外紀行番組や人気スタジオ番組などを多数手がけた後、文筆業に。幸せな生き方を追求して、取材・執筆活動を行う。本サイトでの連載に加筆修正のうえ、書き下ろし原稿を加えた『未婚当然時代~シングルたちの絆のゆくえ』(ポプラ新書)のほか、500人の男女を取材して書いた『必ず結婚できる45のルール』(マガジンハウス)や、婚活する女性たちの姿を描いた『婚活難民』(光文社)、『婚活に疲れたあなたへ』(マガジンハウス)、『婚活の神様!』(幻冬舎)など著書多数。丁寧に心情に迫る取材姿勢に、定評がある。http://www.nirasawa-akiko.com/

 結婚相談所を経営する女性が開いた『恋愛力アップ朝活』に参加し現代のお見合い事情を垣間見た私は、会場となったホテルの喫茶室を出たところで、一人の女性に呼び止められた。

「朝活」の記事はこちら⇒『”お見合い恋愛”時代の到来!』

 Tシャツにロングスカート姿というカジュアルなその女性は、朝活の参加者ではあったが、ワンピースにカーディガンという「素敵なお嬢さん」仕様の他の参加者たちとは様子が違っていた。

 「失恋したので話を聞いてほしい」という彼女に頼まれて、近くのソファに並んで座ると、私はノートとペンを取り出した。

 

「結婚しない」と考えたことはなかった

 「私、ひどい体験をしたんです」

 準備が整うや、彼女はまくしたてた。

 彼女――吉田奈央さんは、36歳の建築設計士。男性中心の職場で、毎日男性と机を並べている。

 「専門職なので、服装は自由です」という通勤着はこの日と同じようにカジュアル。ボブに切り揃えた髪には少しウェーブがかかっていて、あどけない表情を落ち着いた感じに見せている。

iStock

 「36歳になるまで自分が結婚していないなんて、考えたこともありませんでした。30代なら、結婚していて当然で、子供もいて、ニコニコと暮らしている……そんなイメージしか持っていませんでした」

 初夏に誕生日を迎えた奈央さんは、誕生日の数日後に失恋して、朝活に参加した。

 「私、本当は同僚と結婚するつもりだったんです……というより、今でも彼と結婚できないってどういうこと?と思ってます」

 泣き出しそうな顔で言う。

 「えっと、婚約破棄をされたんですか?」聞くと、

 「いいえ、つきあっているつもりだったのは、私だけだったみたいです。でも、明らかに彼は私に対して思わせぶりだったんです」

 語気を強めて訴えた。

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