イノベーションの風を読む

2015年10月19日

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川手恭輔 (かわて・きょうすけ)

コンセプトデザイン・サイエンティスト

1990年代から、大手メーカーでインターネットサービスの企画・開発・運用を手がけ、自ら立案したグローバルなサービスを複数立ち上げた経験を持つ。その1つは、サービスのデザインでグッドデザイン賞を受賞した。コンピューターサイエンス関連の翻訳本も多数ある。

 前回の記事(「スマホエコノミーを読み解く」)が公開された9月30日に、「MVNOとして、モバイルデータ通信とクラウドを一体化したIoTプラットフォームSORACOM」というサービスが開始された。MVNOは、スマートフォン向けの格安SIMを提供する事業として知られている。SORACOM(ソラコム)は、IoT(モノのインターネット)に適した格安SIMを提供するという。すでに多くのテック系メディアで取り上げられて、日本におけるモノのインターネットが加速されるのではないかと注目が集まっている。

 前回の記事は「スマホでないものをクラウドにつなげて、関連する情報やコンテンツをクラウドと交換する。そして人々が常に携帯しているスクリーンを備えたスマートフォンで、そのハードウェアや情報をコントロールすることができるようになる。スマホエコノミーの顧客に、これまでになかった新しい体験を提供できる環境が整ってきたのではないだろうか。」と結んだ。

 「スマホでないものをクラウドにつなげる」とは、まさにモノのインターネットを指しているが、これまで何が問題だったのか、そして、それはソラコムで解決できるのだろうか。それを考えていくと、日本の携帯キャリアが、依然としてガラパゴス状態にあることが見えてくる。

モノのインターネット

 現在、テクノロジーの世界ではモノのインターネットが、次のイノベーションを生み出すトレンドとして注目を集めている。これまでモノのインターネットは、ウェアラブルとビッグ・データと共にまとめて論じられることが多かった。

 (1)ウェアラブル端末から情報を自動的に収集し

 (2)そのビッグデータを分析して業務的に使用する

 (3)そして消費者の利便性を向上する新ビジネスを開発する

 という考え方が、特にマーケティング業界の「過度な期待」を煽っている。さらにITベンダーも同様のシナリオでクライアント企業に、ビッグ・データの収集・解析システムの導入を迫る。

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