WEDGE REPORT

2015年10月18日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 ソーラー発電、と言えば「初期費用はかかるが電気代が大幅に節約できるエコな技術」というのが共通認識だが、米国で今それが大幅に変わろうとしている。

 米国ではソーラーパネルを設置している家庭や企業には「ネット・メータリング」が適用される。ネット・メータリングとは、売電の際にメーターが逆回りするシステムだ。つまり電力会社は販売するのと同価格でソーラー発電からの電気を買い取っていることになる。この買取価格を大幅に下げ、かつ様々な追加料金をソーラー発電に課そう、という動きがある。

画像:iStock

 ネット・メータリングの変更を提案している州は全米で16州に及ぶが、中でも最もソーラー発電普及率が高く注目を集めているのがカリフォルニア州だ。

 同州では今年8月4日、パシフィック・ガス&エレクトリック(PG&E)、サザン・カリフォルニア・エジソン(SCE)など大手電力会社が連名で州の公共ユーティリティ協会にネット・メータリングの変更を求める意見書を提出した。

 電力会社側の言い分は、「ソーラーパネルの価格は発売以来劇的に下落し、今後より多くの家庭が設置に動く。その結果、今後10年でソーラーパネルを設置していない家庭や企業にかかる負担がより重くなる」というもの。この額はPG&Eの試算では240億ドル、SCEでは167億ドルに上る。

 負担の内容はグリッド、トランスミッター、保線、メンテナンスなどにかかる諸費用だ。ソーラーパネルを設置している家庭は昼間には売電するが、夜間は電力を購入することが多い。しかし夜間電力料金は低く設置されており、「ソーラーパネルを設置している一部の住民だけが恩恵を享受するシステムは改善されるべき」というのが論点だ。

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