山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2015年10月27日

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 ロシアには多くのアネクドート(小咄)がある。何度もモスクワに行くうちに、笑いのツボが判ってくる。普通の日本人はロシア語が理解できないからロシア人が笑っていてもサッパリ笑えない。例えば、こんなアネクドートがある。

 “旧ソ連の独裁者が死んで天国の門を叩いた。天国の門番は「お前は地獄行きだ。帰れ」といった。数日たってから天国に無数の難民が押し寄せた。門番が良く見る無数の難民たちは地獄の鬼の大群だった。”

 とざっと、こんな具合だが虐げられている国ほどブラックジョークは冴えわたるようである。また、こんなアネクドートもある。

 “真夜中にプーチンが台所に来て冷蔵庫を開けた。すると、プリンがブルブルと震えた。大統領はこう言った。「心配するな、ビールを取りに来ただけだ」”

 このアネクドートはロシア人が好んで喋るアネクドートで北朝鮮で同じような軽口を云えば本当に逮捕されるかもしれない。

 プーチンは日本人にとっては一見、冷酷なイメージがあるようだが実は結構お茶目なところもある。ロシアの国民は力強い指導者に人気が集まる。特にロシアの女性は妥協を許さないくらい男らしいタイプが好きなようだ。シリアへの爆撃についても、チェチェン紛争時代からプーチン大統領は一貫してテロとの戦いの姿勢は変わらない。

 ウクライナ問題でも理路整然とロシアの正当性を主張している。欧米(NATO)からの経済制裁についても断固とした姿勢を崩さないからロシア国内の人気は一向に陰ることはないようだ。最高指導者に就任してはや15年になるが、いまだにプーチンの人気は85%を維持している。経済は破たん寸前だというのに、こんな高い支持率を持っている大統領など聞いたことはない。

 ロシア人は我慢強い民族である。旧ソ連の崩壊の時もそうだったがハイパーインフレの中でもアネクドートを口にして厳しさを笑い飛ばせるところがある。

ロシアの「つるふさの法則」って知ってるか?

 ロシアの最高権力者には禿げ頭と髪ふさふさの大統領が交互に現れるというジョークがある。ロシア人は酔っぱらいながら、こんな話ばかりしてウオッカを飲むのが大好きである。

 まずはじめは、社会主義革命を成功させた禿げ頭のレーニンである。その次が髪ふさふさの独裁者スターリンだ。続いてベリヤでマレンコフ、次が有名なところでキューバ危機のフルシチョフでその次がブレジネフである。

 続いて禿げのアントロポフで次がチェルネンコ、1985年にペレストロイカを始めたゴルバチョフは知っての通りのあざ付の禿げ頭である(てっきり当時は北方領土の地図のシミかと思っていた)。

 そしてフサフサの白髪の大統領のエリツィンで、ついに2000年にはプーチンになる。2008年にメドベージェフになり、2012年は再び禿げ頭のプーチンの返り咲きである。

 まあ、見事な偶然だがプーチンの次が気になって夜も寝られないロシア人もいるかもしれない。

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