サウジ外交の新動向
変化する米国との関係性


世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。

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湾岸のオピニオンリーダーの一人であるAhmed Obaid Al-Mansoori が、National Interest誌ウェブサイトに12月13日付で掲載された論説にて、サウジは最近、サルマン国王の下で、国防と安全保障に関し、より積極的な政策を展開している、と述べています。

サウジアラビアの首都、リヤドにそびえるキングダムセンター・タワー(iStock)

国益の追求を最優先に図るサウジ外交

 すなわち、サウジの最近の外交は、これまでの外交が失敗であったとの反省に立ち、失った影響力を取り戻そうとするものである。これまでのように欧米の同盟国の意向を気にせず、国益の追求を最優先させようとするものである。サウジの新しい指導者は現状に満足せず、もっと注目されたいと考えている。

 サウジはイスラム世界とアラブ世界の両方で指導者になることを望んでいる。それはイランの脅威を受けているアラブの旗手となるとともに、いたるところでスンニ派の利益を守ることである。サウジの政策は、同じくアラブとイスラム世界での指導的地位を自認するIS に対抗しようとするものである。

 IS との戦いはサウジの地位を強化する。米国支援の有志連合とイランはIS と戦っているが、戦火の中心にいるのはスンニ派住民である。そのうえ、IS はイラクのスンニ派住民が、米国の支援するイラク政府に弾圧されていると宣伝している。アラブ諸国のスンニ派住民は、イラクのスンニ派を守るようアラブ諸国政府に圧力をかけており、これら住民は、サウジが他の場所でとっている強硬軍事路線が、IS 対策としてよいと考えるようになっている。

 サウジは地域での役割を最大限発揮しようとしているが、多くの地域の危機を具体的に解決する明らかな戦略は未だ持っていない。サウジがイエメン、シリア、イラクでの戦闘の結果に影響を及ぼそうとするなら、国際社会がサウジのこれらの紛争の解決への貢献を期待していることを理解すべきである。サウジは国防と安全保障の面で指導力を発揮するだろうが、交渉と外交の面で権威を確保すべきである、と論じています。

出典:Ahmad Obeid Al-Mansoori,‘Saudi Arabia’s New “With Us or Against Us” Attitude’(National Interest, December 13, 2015)
http://nationalinterest.org/feature/saudi-arabias-new-%E2%80%9C-us-or-against-us%E2%80%9D-attitude-14596

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