世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年1月13日

 12月3日付のニューヨーク・タイムズ紙が、「ISを破産させるためには何をすればよいか」との社説を掲載し、ISを経済的に締めつける重要性を指摘しています。

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石油だけではなかった ISの資金源

 すなわち、11月のパリのテロ事件以前にも、米国などは、ISの石油施設への空爆を強化した。トルコ、イラクに向かう石油輸送トラックも空爆された。が、石油以外の収入源をたたくことも必要である。

 ISは資金的には最も潤沢なテロ組織であろう。イラク、シリアの支配領域から、「税金」、通行料、事業収入を年に何百万ドルも得ている。それ以外に人質の身代金、略奪骨董品販売、銀行の略奪で何百万ドルも稼いでいる。

 資金の流れを止めるのは難しいが、米国と同盟諸国はいくつかの成果を上げている。この夏、米国はイラク政府にIS支配地方の公務員への月給支払いを止めさせた。

 石油は月4千万ドルの収入をもたらすと推定されている。油田と石油施設は空爆されているが、当初、米国は文民への石油供給とIS攻撃をバランスさせようとしていた。ISの技術者は損傷された施設を早く修繕できた。今は、6か月は施設を使用不可能にするのが目的である。

IS収入源断つために何をすべきか

 米国などは、国際金融システムへのISのアクセスを切断すべきである。テロ資金対策をしている金融行動タスクフォースは、2月イスラム国支配領域で20以上のシリアの金融機関が活動していると報告している。ロシアとイランはアサドにこれらの経路を閉じるように圧力をかけるべきである。

 ISは、外国の支援者に頼る度合いがアルカイダよりずっと少ないが、インターネットを使った資金集めなどをしている。米財務省は、サウジ、英国、インドネシアを含む11か国の30以上の個人、団体に、IS支援をしたとして、制裁を課している。

 最近、国連安保理とG20は、テロ資金取り締まりの約束を再確認した。米財務相は欧州のテロ対策当局に500くらいの情報提供をしたという。ISの金庫を空にするのは難しいが、パリ同時多発テロは、世界がこの面でもっと努力することを促している、と指摘しています。

出 典:New York Times ‘What It Will Take to Bankrupt ISIS’ (December 3, 2015)
http://www.nytimes.com/2015/12/03/opinion/what-it-will-take-to-bankrupt-isis.html

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