2024年4月27日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年1月13日

IS問題の抜本的な解決を図るには

 上記は、ISへの金融面での締め付けを強化すべきであるという社説です。この問題は、トルコでのG20でも大きく取り上げられました。誰も反対しない目的ですし、主張です。

 では、実際にどうすべきなのでしょうか。石油の販売(輸出と支配領域内の販売)からの収入と支配領域からの税などの徴収が二つの大きな収入源であると思われます。

 前者については、空爆で阻害し、国外の購入者も罰することが必要です。後者については、支配領域を縮小させることが必要です。

 国際金融システムへのアクセスの遮断やインターネットを使った資金集めの阻害は、やるに越したことはありませんが、それほど効果があるとも思われません。

 ISについては、その支配領域を縮小することが何よりも肝要でしょう。

 油田・石油施設、さらに一定領域がISの支配下にあることを前提に対策を考えるのではなく、支配領域を奪う方向で対策を考えるのが根本的解決への道となります。地域各国の軍を主体とし、情報面で先進国軍の支援を受ける地上軍を派遣することが必要なことは、ますます明らかになりつつあると思われます。それなくして、ISを敗北させることはできないように思われます。領域支配テロ集団を、支配領域を持たないネットワーク型テロ組織にしてしまえれば、お金の面での締め付けも容易になると思われます。

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