世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年2月10日

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 中国専門家で米シンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)の上級顧問をしているボニー・グレイザーが、1月6日付のCSISのサイトで、北朝鮮の核実験への中国の対応について、インタビューに応える形でコメントしています。要旨は以下の通りです。

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Q.今回の核実験に対する中国外交部の公式声明は、特に厳しいものだったのか。

 そうとは言えない。中国外交部の声明では、北の核実験に「断固反対する」と述べた他、非核化へのコミットメントを守ることを「強く」主張し、「状況が悪化するような措置をとるのをやめるよう」呼びかけた。これは2013年2月の(3回目の)核実験の際に出された声明の言い回しと実質的に同じものだ。ただし、2013年の声明に含まれていた「各国に冷静な対応を呼びかける」との一文が、今回は含まれていない。

Q.中国は制裁強化を支持するだろうか。

 中国は新たな制裁を含む国連安保理決議に参加する動きを見せている。それに、中朝国境間の車両検査や中国領空を飛行する貨物に対して、より綿密なモニタリングをするなど、従来よりも厳しい措置をとることに自発的になるかもしれない。その一方で、安定性を危険に晒したり、経済的・政治的崩壊を招いたりしかねない行動、国境付近への米軍の配備などには賛同しそうもない。

 最初の核実験以来、中国は北朝鮮に対する圧力の必要性を認めているものの、制裁だけで非核化が可能だとは考えていない。中国としては、制裁は戦略の一部であり、「グランドバーゲン」には安全の保証や、経済支援、日米からの外交承認なども含まれうると考えている。

Q.核実験に際し、中国の懸念は何か。また、この機会をどう捉えているか。

 中国指導部にとっては、国内の安定性維持が常に重要である。核実験は中朝国境から約100kmの地点で行われた。中国北東部では実験による地震が観測され、大気、水質、土壌汚染などを引き起こしている。中国外交部はモニタリングの結果、異常がないと通知したが、中国指導部にとっては、ネットなどでの共産党批判に繋げないことが最優先事項である。

 同時に、中国は、北朝鮮による核実験を、対米関係を改善する機会として利用しようとしている。国連による制裁を支持することは、中国は国際法を支持しているとの意思表示である。米中間には、サイバー攻撃による知的財産権の窃取や、南シナ海での摩擦が続いている。そうした中で、核実験への対応を、米国との限られた協力機会として利用しようとしている。

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