WEDGE REPORT

2016年2月22日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 ランサムウェア、と呼ばれるコンピュータウィルスが欧米で猛威をふるっている。ランサム、脅迫、と名付けられるだけあって、このウィルスは感染するとPC画面上に「⚪️時間以内にこの金額を振り込まないとPCネットワーク上のすべてのファイルを消去する」というメッセージをポップアップさせる。つまりPCの内容を人質にとった脅迫行為を行うのだ。

最善策は身代金を払うこと

 FBIがランサムウェア対策について質問され「最善の策は身代金を支払うこと」と答えた、というのがあり、警察でもお手上げのようだ。

iStock

 最初にオーストラリアで見つかり、企業などを相手取って「身代金」要求を繰り返してきたが、それが欧米全体に広がりつつある。通常は10万円程度のBitcoin(ビットコイン)での支払いを要求し、それに応じると解除コードが送られてくる。被害としてはそれほど高額ではないため、支払ってしまう企業が多い。コンピュータソフトウェア会社の試算によると、およそ44%の被害者がランサムウェアの要求額を支払っている、という。

3億ドル以上を稼ぐ

 ランサムウェアは「史上最高の成功を収めるウィルス」と呼ばれる。その数は2015年には前年比で倍になり、典型的なランサムウェアであるCryptolocker3.0と呼ばれるウィルス単独で15年には3億ドル以上を稼ぎ出した、という試算があるほど。

 ところが、米ハリウッドの病院に侵入したランサムウェアは悪質で、システムを乗っ取りなんと360万ドル相当を要求している。

 被害にあったのはハリウッド・プレスバイテリアン・メディカルセンターで、1週間以上前に同病院のコンピュータシステムがウィルスに感染。システムはダウンし、職員は紙とペンで業務を進めているものの、患者の過去の記録にアクセスすることもできず、病院内の電話システムも正常に作動しないため、必要部署に「走って伝言」という前時代的な業務を強いられている。

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