2024年4月26日(金)

WEDGE REPORT

2016年2月22日

 しかし今回のランサムウェア騒動で明らかになったのは、PCシステムのウィルスに対する脆弱さだけではない。米国の健康保険の仕組みのどうしようもなさも浮き彫りになった。

 米国の健康保険はオバマケアでも扱いはブルークロスなどの巨大保険会社だ。保険は金額によって内容が異なり、最も安いものは受けられる診療内容に制限がある。例えば主治医のもとで異常が見つかったとしても、精密検査を行うには保険会社の承認が必要、さらに検査を受ける機関も保険会社から指定されるのだ。

 そのため、ハリウッドの病院の患者の中には「車で1時間もかかる病院に振り替えられ、非常に迷惑している」という声がある。患者の転院もしかりで、加入している保険内容により受け入れる病院とそうでない病院があるため、手続きは煩雑を極める。

 病院のような公共性のある施設へのウィルス攻撃は多大な影響を及ぼす、と今回の事件は世間に広く知らしめた。これに味をしめた類似犯が今後増加しないか懸念が広がっている。

  
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