日米印協力で中国覇権主義に対抗せよ


世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。

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自国中心のアジアの新秩序構築を目指す中国の戦略に対抗するためには、日米印の結束が必要であると在ニューデリー政策研究センターのチェラニー教授が、1月22日付のProject Syndicateで論じています。要旨は次の通りです。

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 中国がアジアの秩序を作り変えようとしている。「一帯一路」からアジアインフラ投資銀行に至るまで、中国は自国中心のアジアの構築を着実に推進している。地域諸国は、中国の野心を阻止するための戦略を調整出来ていない。

中国修正主義抑制の主導権はどの国が執るべきか

 米国のアジア回帰政策の鍵は、TPPだが、米国の同盟国であるインドや韓国が入っていない。TPPは発効までに時間を要し、その効果も大きなものではない。参加国のうち6カ国は既に米国と自由貿易協定を締結しているので、TPPの主たる効果は、日米間の自由貿易地域ができることにある。一方、ASEANが推進しているRCEP(東アジア地域包括的経済連携)には、米国が入っていない。

 中国の「一帯一路」構想は、中国が資金力を梃子に影響力を強化することやインド洋に中国のプレゼンスを築くことなどを目指している。習近平主席がこの構想の半分でも実現できれば、アジアの地政学は深刻な影響を受ける。

 アジアの未来は極めて不確定である。地政学的安定を確保するためには、地域の主要諸国の利害の均衡が必要である。しかし、中国がこの数十年間に蓄えて来た政治的、財政的、軍事的な影響力を行使しようとしている中で、そのような均衡を維持することは容易でない。

 現状では、一国だけでは、米国でも、中国の国力と影響力に対抗できない。安定した勢力均衡を維持するためには、有志国が結束してルールに基づく地域秩序を守る必要がある。

 中国の修正主義的野心を抑制する為の主導権は、どの国が執るべきであろうか。米国は他の戦略的課題を抱えており大統領選もあるので、米国に期待することは出来ない。アジア諸国、特に経済が伸びているインド、政治的自己主張を強める日本が役割を果たすべきである。2014年に訪日したインドのモディ首相は、「18世紀の膨張主義的思考様式」が「我々の周りに蔓延」していると述べ、中国の膨張主義を間接的に批判した。昨年12月、日印首脳は、全ての諸国に対し「一方的行動を避ける」よう共同で呼びかけ、中国による人工島建設を暗に批判した。

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