安保激変

2016年2月26日

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辰巳由紀 (たつみ・ゆき)

スティムソン・センター主任研究員

キヤノングローバル戦略研究所主任研究員。東京生まれ。国際基督教大学卒業後、ジョンズ・ホプキンス高等国際問題研究大学院で修士号取得。在米日本大使館専門調査員、戦略国際問題研究所(CSIS)研究員などを経て2008年より現職。2012年よりキヤノングローバル戦略研究所主任研究員を兼任。専門は日本の防衛政策、日本の国内政治、日米安全保障関係、米国の対アジア安全保障政策。

 中国による南シナ海の軍事化が止まらない。中国は2014年以降、南シナ海においてファイアリークロス礁での人工島の建造や、この人工島に滑走路、港湾施設の建設などを行ってきた。が、これまではこのような建設工事は軍事目的ではないと言い続けていた。

ハリー・ハリス米太平洋軍司令官(Getty Images)

 しかし、ここにきて、先週、米国の保守系メディアであるフォックス・ニュースが、西沙諸島のウッディ島に地対空ミサイルが配備されたという報道を行った。2月22日には、この島にレーダー施設も設置されていることが衛星写真から判明したことが米戦略国際問題研究所(CSIS)の報告により明らかになった。

 さらに、2月23日には中国がウッディ島に戦闘機の仁7号及び仁11号を配備したことが確認された。

 

事態の緊迫化を招いているのは中国

 米国は14年以降、中国の南シナ海での動きに強い懸念を表明し続けてきた。今年に入ってからは、1月23日にダボスの世界経済フォーラムに出席したアシュトン・カーター国防長官は、スピーチの中で「私は、米中間の衝突が不可避だという立場には与しない。そのような事態が望ましくないことは確実だし、衝突の可能性が高いとも思わない」としつつも「中国が現在取っている措置は、自らの孤立を深めるだけで、我々の誰もが望んでいない方向に事態を動かしている」と述べ、事態の緊迫化を招いているのは中国であることを暗に批判している。今年1月末には、昨年10月末の護衛艦ラッセンに続き、アーレイ・バーク級の護衛艦カーティス・ウィルバーが「航行の自由作戦」のために南シナ海に派遣されている。

 今月に入り中国のこの地域における活動が軍事的性格をますます強めるにしたがって、米国の態度も一層、硬化している。さらに今般、中国がウッディ―島に戦闘機を配備したことが確認されたことで、米国ではにわかに「なぜ今まで米国は中国の行動に影響力を行使することができていないのか」「どうすれば中国の行動に制限をかけられるのか」についての議論が活発に行われるようになってきている。

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