WEDGE REPORT

2016年3月11日

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 「日本一面白いサッカーの人を目指す」という、分かるようで分からない目標は、相原豊氏の持つポジティブな明るさを象徴する一つの側面である。生まれながらに左手の手首から先がない彼は、2003年にタイに渡り、バングラデシュ、ウガンダと合わせて3カ国でプロサッカー選手としてプレー。現在は、タイでろうの子どもたちを指導している。「『障がいは個性だ』ってよく言うじゃないですか。そんなの個性じゃないって思うんですよね。何もしないで個性と認めて欲しいというのが、僕は嫌いなんです」と語る人生への厳しさがあるところが、ただ面白いだけで終わらない彼の複雑なユニークさを作り出している。「同じ障がい者だからこそできることがある」という彼の思いを聞いた。

タイのろう学校や小学校の子ども、日本人学校の子ども。相原氏が指導するチームの子どもたちが一斉に集い、その日に組んだミックスチームでゲームを行う大会がユタカ祭り。ユタカカップではなく、祭りと名付けるところに、相原氏のこだわりを感じる

タイサッカー

 Jリーグが2月末に開幕し、日本のサッカーシーズンが今年も幕を開けた。Jリーグは、アジアでのプロモーションを強化しており、2012年からはタイリーグと提携している。2014年には、日本代表として活躍した岩政大樹選手(現・ファジアーノ岡山)や茂庭照幸選手(現・セレッソ大阪)らもプレーし、この数年は、50名ほどの日本人選手がタイリーグで戦っている。3月にスタートしたばかりのタイリーグは、選手や監督だけでなく、スポンサーにも日本企業がついている。リーグの名称も、トップリーグは、トヨタ・タイ・リーグであり、その下部リーグは、ヤマハ・ディビジョン1という。そのタイで、日本人選手の先駆けとして、2003年にタイに渡った隻腕の選手がいた。それが現在はタイでユタカフットボールアカデミーを主宰し、タイに住む日本人や現地の耳の聞こえない子どもたちにサッカーを指導する相原豊氏である。

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