赤坂英一の野球丸

2016年5月4日

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 「阪神タイガース監督の金本知憲です。今年は超変革! 甲子園球場で待ってます!」

 タイガースの主催試合が甲子園で行われる日、阪神電鉄の梅田駅では、金本監督が録音したこんなアナウンスが流れている。さらに甲子園駅に到着すると、大型モニターに映し出された金本監督がニッコリ笑ってお出迎えだ。これまでにも和田豊、真弓明信など監督が特別なイベントで構内放送を行ったケースはあったものの、「このように恒例化したのは金本監督が初めて」と電鉄関係者は言う。

「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~」
プロジェクト

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首脳陣が若返り、「超変革」をスローガンに掲げた今季、阪神は新たに大胆なイメージチェンジ戦略をスタートさせた。その最たる例が、〝伝統のライバル〟巨人との共同プロジェクト「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~」である。阪神が金本、巨人も高橋由伸と同じ年に新監督が誕生したのを機に、甲子園と東京ドームの双方で対戦するたび、斬新な演出で盛り上げたり、〝限定お宝グッズ〟をプレゼントしたり、これまでにないアイデアでライバル対決をお色直ししているのだ。

 まず4月5、6、7日と、先に東京ドームで行われた3連戦では、巨人サイドが独自に制作した「伝統の一戦」の60秒間のダイジェスト映像をオーロラビジョンでお披露目。次の同月26、27、28日の甲子園3連戦でもこの映像が電光掲示板で公開された。26日には入場者に特製グッズの黄色いTシャツを配布、一塁側と三塁側のアルプススタンドに阪神のロゴマークの人文字をつくり、観客を大いに沸かせた。アルプスの人文字と言えば、かつては高校野球のPL学園が有名だった。奇しくもPL野球部の休部が決まった今年、阪神が応援の〝伝統〟を引き継いだ形である。

 もっと画期的だったのは、人文字イベントと同じ26日に、左翼スタンドの巨人ファンにも特製Tシャツが配られたことだ。こちらも立派な限定グッズで、巨人のチームカラーのオレンジ色である。阪神サイドが巨人ファンのためのグッズをつくることには、球団内部に異論もあったらしい。「それでもとにかくチャレンジして、反響や評判をチェックしてみようということになった」(先の電鉄関係者)ところに、阪神サイドの「超変革」への意気込みを感じる。東京ドーム限定の巨人・由伸監督弁当(2000円)を甲子園で販売してはどうか、というアイデアも出されたそうだが、これはさすがにまだ実現していない。

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