赤坂英一の野球丸

2016年9月12日

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赤坂英一 (あかさか・えいいち)

スポーツライター

1963年、広島県生まれ。86年に法政大学文学部卒業後、日刊現代に入社。88年より、スポーツ編集部でプロ野球取材を担当。同社勤務のかたわら週刊誌、月刊誌で、スポーツを中心に人物ノンフィクションを多数執筆してきた。最新刊『すごい!広島カープ 蘇る赤ヘル』(PHP文庫、『広島カープ論』増補改訂版)が重版出来で2万部突破。ノンフィクション『失われた甲子園記憶をなくしたエースと1989年の球児たち』(講談社)が第15回新潮ドキュメント賞にノミネートされた。ほかに『プロ野球「第二の人生」 輝きは一瞬、栄光の時間は瞬く間に過ぎ去っていった』(講談社)『最後のクジラ――大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生』(講談社)『プロ野球コンバート論』(PHP研究所)など。

 四半世紀ぶりの広島優勝は、社会的、経済的にどんな波及効果をもたらしているのか。

優勝を祝う広島市内ショピングモールのポスター

 経済効果は優勝マジックナンバーが13となった8月29日の時点で、広島市のシンクタンクが278億円と発表。さらにマジックが3に減った9月7日に、関西大学が宮本勝浩名誉教授(71歳)の試算として331億4916万円と、大幅に上方修正した数字を明らかにした。2003年阪神の1481億円(宮本研究室)、2007年巨人の418億円(日興コーディアル)には及ばないものの、2010年中日の215億円(共立総合研究所)、2013年楽天の230億円(宮本研究室)を100億円以上も上回る。

 それほど盛り上がったからか、優勝が目前に迫ってくると、本拠地マツダスタジアムのチケットもネットオークションに破格の値段で出品された。とくに本拠地での優勝決定の可能性があった8日の中日戦はネット裏の砂かぶり席が1人50万円、三塁側内野指定席で40万円、外野自由席でさえ3〜5万円と大変な高値が付けられている。

 このころから地元マスコミにも様々な優勝関連のニュースが流れるようになった。地元有力紙の中国新聞は、広島駅からマツダスタジアムへ通じる道(通称「カープロード」)が拡張されるという情報をはじめ、25店舗以上に及ぶ優勝セールの期間と内容を一覧表にして掲載。広島市だけでなく、芸北と呼ばれる山間部の商店街のセール、三原市で行われる地元画家のカープの絵の個展なども地域面で紹介するという念の入れようである。

 地元の民放テレビ局は、4局中2局か3局が連日、朝や昼のワイド番組でカープ関連の情報を伝えている。やはり25年ぶりの優勝を機にファンの購買意欲、消費意欲をあおるものが多い。有名デパート・百貨店の「中身3万円、値段7500円」の福袋。広島球団御用達の仕立て屋が選手と同じ生地を使用し、特別に格安の値段でつくってくれるオーダーメードのスーツ。2500円の飲み放題セットと一緒に注文すれば無料になる1万円の高級ステーキ。このあたりはいいとして、新井の背番号にちなんで(?)カレーライスを250円にした食堂とか、髪を赤色に染めたら無料にする理容院なんてのも紹介されている。

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