仕事の失敗を実力に変えるメンタルトレーニング講座

2016年12月3日

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大儀見 浩介 (おおぎみ・こうすけ)

メンタルトレーニングコーチ

1979年、静岡県清水市生まれ。東海大学第一中学校サッカー部時代に全国優勝を経験。東海大学一高では主将として鈴木啓太選手とプレー。東海大学進学後、高妻容一研究室にて応用スポーツ心理学(メンタルトレーニング) を学ぶ。現在はスポーツ、ビジネス、教育、行政など、様々な分野でメンタルトレーニングを指導。年間250本の講演活動を行う。12年、メンタルトレーニングを広く伝えるため株式会社「メンタリスタ」を立ち上げ、代表取締役に就任。静岡県スポーツ振興推進審議会委員。帝京平成大学非常勤講師。

目標設定次第でやる気は出る

 今回は、目標の持ち方ひとつで、心を整えていく方法をご紹介します。自分で自分の心をコントロールするテクニックを「セルフコントロール」と呼びますが、私はこのテクニックの根幹は、目標設定から始まると考えています。理想的な集中も、気持ちの切り替えも、プラス思考も、まずは自分自身の明確な目標設定から始まります。

 その理由を端的にいうと、以下のようになります。

① 余分な不安や心配を募らせずにすむ。

 「だいじょうぶかなぁ~」「できるかなぁ~」といった、ミスを誘発するようなイメージを浮かびにくくする。

② 退屈や、マンネリなどを防ぐ。

 ただこなしている作業に飽き飽きしたり、「つまんないなぁ~」といった気持ちになったり、三日坊主になって物事を投げ出したくなる気持ちを起こりにくくする。

③ 仕事に対するワクワク感ややりがいを感じることができる。

 「よし!やれそうだぞ!」「もっとやってみたい!」といった自分なりのやり方のプランや、自分のペースをつかむことができる。自ずと気持ちの切り替えもできる。

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楽しさは不安と退屈の境目にある

 このように目標を設定すれば、仕事で起きがちな初歩的問題を、自分で整えていくことができます。

 私がコーチングをしているスポーツ選手でもあることですが、誰しも仕事や日常生活の中で、心を揺り動かされて迷いや不安に襲われたり、時に逃げたくなるような衝動に駆られたりしてしまうことがあります。そんな時は、少し時間をとり、自分自身の目標の立て方から整理してみるとよいでしょう。下の図を見てください。

 これは、アメリカの心理学者、ミハイ・チクセントミハイ教授の「フロー理論」です。ミハイ氏は、人が幸せに、生き生きと生きるために心理学に何ができるかを研究する「ポジティブ心理学」の研究者の一人で、フロー理論を提唱しています。

 フローとは、完全に集中して対象に入り込んでいる精神的状態であり、楽しさやワクワク感を感じている状態です。彼の言葉を引用し、この理論をわかりやすく説明すると、以下のようになります。

 「楽しさとは、その人の能力と、やろうとしていることのバランスが取れているときに最も感じられる。それはちょうど、不安と退屈の境目である」

 つまり、目標が高すぎると不安を抱きやすくなり、低すぎると退屈になりやすい。大切なのは、不安にならず、退屈でもない中間点に目標を設定することです。これが最適な目標水準となるのです。

 この中間の目標を導き出すための工夫や探求を、自分らしく自分のやり方で探っていくことが、心を整えていくこと、つまりセルフコントロールの始まりとなるのだと考えています。

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