チャイナ・ウォッチャーの視点

2017年1月17日

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西本紫乃 (にしもと・しの)

北海道大学大学院公共政策学連携研究部付属公共政策学研究センター研究員

1972年広島県生まれ、広島大学大学院博士後期課程単位満了退学、元外務省専門調査員(在中国日本国大使館)。著書『モノ言う中国人』(集英社新書、2011年)。

 12月22日から24日にかけて大雪に見舞われた新千歳空港では航空便の欠航が相次ぎ、一時、1万6,000人もの人々が空港に足止めされた。空港ターミナル内で寝る場所や食料が十分にない中で3日間にわたって空港ビル内で滞在を余儀なくされた人も多く、空港は大混乱になった。

 この空港の大混乱で最も注目されたのが、中国人が飛行機が飛ばないことに抗議して警察が出動する大騒動になった、というニュースだ。しかしこの情報、事実の前後関係や現場の状況など詳しい情報がないままYoutubeに投稿された画像が独り歩きし、「すわ!中国人が!」とばかりに、多くの日本人の耳目を集めた何とも奇妙なニュースの拡散の仕方だった。中国でもこの話題は大きく取り上げられたが、日本での報道ぶりに対して中国側は、事実を極端に捻じ曲げて大げさに伝えていると抗議。なぜ騒動が起こったか具体的な理由が明らかにならないまま、この一件は後味の悪さしか残さなかった。一体、あの時、新千歳空港で何が原因で騒動が起こったのか。騒動になった中国国際航空の北京行きCA170便に予約していて混乱に巻き込まれた人から、現場が実際にどのような状況だったのかを聞いた。

12月22日、大雪による遅延の発生とふりまわされた乗客たち

ターミナル内で過ごす中国人たち(微博に投稿された画像)

 22日午後から、新千歳空港では午後から雪の影響で航空便が軒並み欠航となった。13:50発予定の北京行の中国国際航空のCA170便も欠航となったが、欠航の決定は夜になってからだった。欠航が決まった後、中国国際航空は欠航便の乗客に対して翌日8時に、チェックインを再開する旨をアナウンスした。このため、翌朝のチェックイン再開に備え、同便を予約していた多くの人がターミナル内で一夜を過ごした。

 しかし、23日朝、前日に案内された時間にはチェックインをしても搭乗案内が一向になく、北京行きの乗客たちは空港内で待たされ続けた。23日午前には上海行きの便や台北行きの便など、22日欠航となった他の国際線の飛行機が次々に出発する中、北京行きのCA170便は午後になっても出発の目途が立っておらず、搭乗口で待たされ続ける乗客たちの不満とイライラは募っていった。

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