世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年2月3日

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 トランプ政権のアジア政策の方向性は、全体的には明らかになっていません。しかし、この論説が指摘するように、対中強硬策を主張する者が外交に影響を与える要職に就く予定です。米中関係は、政治・軍事では台湾問題と南シナ海問題で、経済では為替操作や不公正貿易問題で悪化する可能性が高いでしょう。その結果、外交上、アジアの重要性は上がることになるでしょう。

民主主義的価値を推進することに関心なし

 トランプは民主主義的価値を推進するなどには関心がなく、「取引」とそこからの利益を重視する傾向があるのではないかと思われます。したがって、共通の価値観に基づく強固な同盟は望み得ないところもありますが、対中対抗が政策の軸になる限り、日米関係は米国にとっても重要になります。アジアへの軸足移動がオバマの時よりもさらに充実してくるとのロジンの見通しはそれなりに根拠があると思われます。

 中国側も米中関係の悪化を食い止めるために努力はすると思われますので、米中間で関係のマネージメントが案外うまく行くなど、複雑な様相を見せる可能性もないとは言えません。
しかし、習近平は秋の党大会を控え、米国には毅然とした対応をしたとの形が必要で、対米宥和策を行える状況にはないように思われます。台湾のみならず、南シナ海も尖閣も核心的利益と規定するなど、外交の柔軟性を失わせる対応が習近平政権では目立ちます。対米関係をうまくマネージできるかどうか、やはり疑問です。

  
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