今月の旅指南

2017年2月27日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 静岡県焼津市の藤守地区(旧大井川町)は、弥生時代から集落が形成されていた歴史ある土地。この地で毎年3月17日、豊作を予祝する伝統行事「藤守の田遊び」が行われる。会場の大井八幡宮は、平安時代初期の延暦年間(782~806)、稲作に従事していた農民たちが大井川の水害を恐れ、平安豊穣を祈念して川除け神「大井宮」を草創したことに由来する。

 千年を超えて受け継がれてきた「藤守の田遊び」は、田の耕作から稲刈りまでの農事を25番の演舞と、始まりと終わりの番外で構成。昭和52年(1977)に国の重要無形民俗文化財に指定されている。

 当日は、18時頃から社殿前の舞台で田遊びが始められる。演舞の中心は氏子の青年約30人で、1人3、4役をこなす。祭神を内陣より迎える「振取(ふっとり)」や、5歳になった男子が氏子入りする儀式「早乙女(そうとめ)」など、笛や太鼓の調べとともに古式ゆかしく演じていく。

 最大の見せ場は、第21番の「猿田楽(さるでんがく)」。紅白の造花で飾った笠「ショッコ」をかぶった8人の青年が舞台いっぱいに花を揺らして飛び跳ねながら舞う姿は圧巻だ。

華やかな「猿田楽」がハイライト(写真・焼津市歴史民俗資料館)

 大井八幡宮では、祭事の当日限定で、藤守の田遊びの由来や演舞の解説を載せたチラシを配布する。番組の流れが分かると、より楽しめるので一読しておきたい。

●藤守の田遊び
 <開催日>2017年3月17日
 <開催場所>静岡県焼津市・大井八幡宮
      (東海道本線藤枝駅からバス*帰りはタクシーのみ)
 <問>焼津市歴史民俗資料館 ☎054(629)6847
  URL:
http://www.city.yaizu.lg.jp/kanko/info/1-2-23.html

*情報は2017年2月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2017年3月号より

 

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