田部康喜のTV読本

2017年4月26日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 湊かなえ原作の「リバース」のドラマがTBS系列で始まった(第1話・4月14日、金曜夜10時)。主人公の深瀬和久役・藤原竜也の圧倒的な存在感が、画面を覆っている。

 読了後に嫌な感じが残るミステリーであることから、「イヤミス」と呼ばれる湊かなえ文学は、今回の原作でも定石を外さない。思いもかけないラストに向かって、脚本家の奥寺佐渡子はどのようなプロットを用意しているのだろうか。

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親友の死の秘密

 ドラマは、2017年と10年前の出来事を行き来しながら進行していく。事務機器・用品会社に勤める深瀬(藤原)は、名門の名教大学を卒業しながらも就職活動がうまくいかずに、ようやく現在の会社の内定をもらった。小学校から中高校時代にかけて、友人がひとりもできなかった。いまも一人暮らしで、コーヒー豆を挽いて入れるのが楽しみで、職場でも重宝されている。

 大学のゼミで知り合った、広沢由樹(小池徹平)が初めてできた友人だった。深瀬の部屋で、ふたりはコーヒーを飲みながら、テレビを見たり落語のDVDを鑑賞したりしていた。

 深瀬が行きつけのコーヒーショップで、パン屋に勤めて近所に住んでいる越智美穂子(戸田恵梨香)と知り合って恋に落ちる。

 土砂降りの雨の夜、美穂子からメールで深瀬の部屋の前で待っていることが告げられる。部屋に入った深瀬に美穂子が渡したのは、美穂子宛に届いた手紙だった。封筒には「深瀬和久は人殺しだ」と印字した紙が入っていた。

 深瀬の告白が始まる。それは、大学4年生の冬に起きた事件だった。

 同じゼミの村井隆明(三浦貴大)が、別荘に行こうと持ちかけてきた。高校教諭の採用が内定していた、浅見康介(玉森裕太)と大手商社に内定していた谷原康生(市原隼人)、村井の妹の明日香(門脇麦)、そして友人の広沢(小池)と深瀬が参加することになった。

 交通事故の処理のために遅れることになった、村井を除く4人がひとつの乗用車に同乗して雪道をたどって別荘にたどり着く。運転免許を持っていたのは、浅見(玉森)と広沢(小池)のふたりで、交代して運転した。

 別荘では、村井を待たずに焼き肉パーティとなった。「酒を飲むと眠くなる」と、ビールを断った広沢を浅見(玉森)と谷原(市原)が執拗に迫って、飲ませる。

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