今月の旅指南

2017年5月20日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 江戸時代の浄土宗僧侶で、京都や奈良を中心に仏画を描いた明誉古磵(めいよこかん/1653~1717)。琳派の大家、尾形光琳(1658~1716)と同時代を生きた画僧だが、その画業について現在知る人は少ない。没後300年に当たる今年、古磵の主要作品を紹介する初めての展覧会が開かれる。

古磵 《薬師浄土曼荼羅図》 享保元年(1716)頃  薬師寺蔵

 古磵の作風は、本格的な紙本著色(しほんちゃくしょく)仏画や社寺縁起絵巻から、軽妙な筆致の水墨画、版本(はんぽん)の挿図まで多岐にわたる。本展には、古磵が晩年に塔頭(たっちゅう)の地蔵院に滞在するなど深い関わりがあった奈良の薬師寺が所蔵する作品を中心に、約50件が出展される。

 見どころは、縦4メートルを超える「薬師浄土曼荼羅図」をはじめとする曼荼羅図や涅槃図、それに絵巻、釈迦十六羅漢図など、奈良や京都の社寺が所蔵する数々の大作だ。

 また、愛嬌のある親しみやすい画風で、描かれた当初から人気が高かったという、古磵が生涯にわたって数多く手掛けた水墨画の大黒天も会場に並ぶ。加えて、「山水図屏風」や「七福神図」など、水墨画の名品も見逃せない。

 江戸時代の画人伝『古画備考』や『和漢名画苑』に記載されるほど名の通った画僧だった古磵の魅力を、改めて発見できるよい機会となりそうだ。

●特別展 没後300年 画僧古磵
 <開催日>2017年5月20日~7月2日
 <開催場所>奈良市学園南・大和文華館(近鉄奈良線学園前駅下車)
 <問>☎0742(45)0544
  URL:http://www.kintetsu-g-hd.co.jp/culture/yamato/

     http://www.kintetsu-g-hd.co.jp/culture/yamato/exhibition/gasoukokan.html

*情報は2017年4月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2017年6月号より

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