今月の旅指南

2017年3月25日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 桃山時代、狩野永徳や長谷川等伯と比肩する画才を発揮しながら、その前半生はほとんど知られていない謎多き絵師、海北友松(かいほうゆうしょう)。今年開館120周年を迎えた京都国立博物館では、開館記念第1弾として、友松の生涯と画業に迫る大回顧展を開催する。

 天文2年(1533)、浅井家重臣を務めた近江(滋賀県)の武家に生まれた友松は、3歳のときに父が戦死、その後東福寺に入り、和尚の勧めで狩野派に入門したといわれる。83歳で没した友松の作品は60歳以降に描かれたものが大半だが、本展では、希少な初期作をはじめ、新発見や初公開の作品、書状や文書類を含む70余件を紹介する。

 会場には、京都・建仁寺の大方丈内部を飾っていた「竹林七賢図」(重文)をはじめ、初期作とされる「山水図屏風」など、多彩な作品が並ぶ。「雲龍図屏風」(重文)など友松が得意とした龍図の傑作を見比べてみるのも興味深い。

 一方、京都・妙心寺に伝わる「花卉図(かきず)屏風」や「寒山拾得(かんざんじっとく)・三酸図(さんさんず)屏風」など、最晩年の代表作となる金屏風に加え、米国のネルソン・アトキンズ美術館から60年ぶりの里帰りが実現した友松水墨画の最高峰とされる「月下渓流図屏風」も出品。友松が目指した画境の極みに触れられる。

重要文化財 海北友松 《花卉図屏風》(右隻)桃山時代(17世紀)
京都・妙心寺蔵
●特別展覧会「海北友松」
 <開催日>2017年4月11日~5月21日 *会期中、展示替えあり
 <開催場所>京都市東山区・京都国立博物館(京阪本線七条駅下車)
 <問>☎075(525)2473
  URL:http://www.kyohaku.go.jp/jp/index.htm

     http://yusho2017.jp/

 *情報は2017年3月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2017年4月号より

 
 

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