今月の旅指南

2017年3月24日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 中国伝来の喫茶法が、日本で独自の発展を遂げた「茶の湯」。室町時代から近代に至る茶の湯の変遷を、茶道具の名品でたどる展覧会が、東京国立博物館で開かれる。

 中国の美術品「唐物(からもの)」を収集した足利将軍家に始まり、侘茶(わびちゃ)の大成者の千利休、その精神を継承した古田織部、江戸時代に武家の茶を再興した小堀遠州や松平不昧(ふまい)、そして趣味人として伝統文化を再評価した明治時代の実業家まで、茶の湯を究めた人々の思いにもスポットを当てる。

重要文化財 《青磁輪花茶碗 銘 馬蝗絆》
中国・龍泉窯 南宋時代(13世紀) 
東京国立博物館蔵
 

 見どころは、武将や茶人たちが愛した名碗の数々。静嘉堂文庫美術館所蔵の「曜変天目(ようへんてんもく)(稲葉天目)」(4月11日~5月7日限定)や、豊臣秀次所持と伝わる「油滴天目(ゆてきてんもく)」、松平不昧所持の「大井戸茶碗/喜左衛門井戸」、足利義政愛用の「青磁輪花茶碗(せいじりんかちゃわん) 銘 馬蝗絆(ばこうはん)」など、国宝や重要文化財の逸品が鑑賞できる。

 また、千利休の創意を反映した「赤樂茶碗 銘 無一物」や「黒樂茶碗 銘 俊寛(しゅんかん)」など樂茶碗の名品もそろう。第一級の名碗がここまで集まることはまれで、まさに千載一遇の機会となる。

 東京国立博物館では、4月11日から5月7日までの期間限定(4月15日を除く)で、本館北側の庭園内にある小堀遠州ゆかりの茶室「転合庵(てんごうあん)」を公開する。あわせて足を運んでみるのも一興だ。

●特別展「茶の湯」
 <開催日>2017年4月11日~6月4日 *会期中、展示替えあり
 <開催場所>東京都台東区・東京国立博物館 平成館(山手線上野駅下車)
 <問>☎03(5777)8600
  URL:http://www.tnm.jp/

     http://chanoyu2017.jp/

 *情報は2017年3月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2017年4月号より

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