<好評2刷>(2017年5月)
日本は明治以降、ドイツやアメリカなど欧米の文化や価値観を受け入れて近代化を進めてきました。その結果、近年にいたって経済や文化だけではなく、あらゆる分野で「日本らしさ」が失われたと憂慮する声が高まっています。日本人は自信を喪失しているかに見えます。しかし、古えから日本人は海外のさまざまな文化を取り入れ、それをどうやって日本化=和化しようかとたくらみながら、自国の中に上手に吸収してきました。
たとえば、中国の古典を読み替えて日本最初の憲法をつくった聖徳太子、日本のダ・ヴィンチ=平賀源内、通貨単位に「円」を説いた大隈重信ら、西洋音楽から小学唱歌をつくった伊沢修二ら、けっして丸呑みしない創意工夫の達人たちがいました。日本には今も海外から文化が押し寄せてきます。私たちはそれをどう受け止めればいいのでしょう。多くの創意の賢者の足跡を辿るとおのずと答えは見えてくるはずです。
本書は、雑誌「ウェッジ」で二年余にわたって好評連載された「日本のたくらみ」を一冊にまとめたもので、身近な事例を挙げながら日本人の「和化」のたくらみを親しみやすく論じたエッセイです。
限定版「日本精神史三部作完成記念」3冊セット好評発売中!
中西進先生の最新刊『情に生きる日本人』と既刊『国家を築いたしなやかな日本知』『日本人 意志の力』の3冊セットを特製ケースとともに限定販売しています(本体4,600円+税、シリアルナンバー入り)。お求めは弊社営業部(電話0120-37-4635)まで。在庫僅少につき、お急ぎください。