武士道の書といえば『葉隠』が有名ですが、『葉隠』は佐賀藩士・山本常朝が口述した千数百項目にのぼる厖大な聞書きです。しかしその根本にある思想は、佐賀藩の藩祖・鍋島直茂による家訓21ヶ条に要約されるといっても過言ではないでしょう。 直茂公は山本常朝が武士の理想像とした名君で、平易な言葉で生き方の基本を述べたのが「御壁書」21ヶ条です。本書は、この「御壁書」21ヶ条に、国学者・石田一鼎、恩田一均の注釈を附し、さらに著者の現代に即した解説をつけて、多層的な解読を試みたものです。また、山本常朝の父・神右衛門重澄の教訓21ヶ条と著者による解説、常朝が自らしるした奉公の心得「愚見集」(現代でいえばビジネスマンのための指針)もあわせて収録しています。 なお、本書は『いま、なぜ武士道なのか――現代に活かす『葉隠』100訓』(ウェッジ文庫、2008年~現在販売終了)の「続編」として著者が書き下ろしたものです。
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