◎世界で一番、重い荷を負った男、ローマ皇帝アウレリウスは、いかにしてよき人生を生き切ったのか。
彼の生き方の根源にあったのは、まっすぐな哲学だった。
第16代ローマ皇帝マルクス・アウレリウス(西暦121~180年)。
5賢帝のひとりであり、プラトンのいう理想の国家君主「哲人王」にもたとえられる彼は、日々の思索と内省をメモのような散文として書き残した。
のちに『自省録』としてまとめられたストア哲学の薫り高い約500の断章から80篇を選び、齋藤孝がわかりやすく解説する。
他の哲学思想との比較はもちろん、ウクライナ問題からSNS、コロナウイルス、はては大谷翔平までを例に挙げた読み解きにより、ローマの賢人の日々の「つぶやき」が現代の私たちの生活とシンクロしていく。
現代を正しく生きるために、ストア哲学、そしてアウレリウスが大事にした「理性」を学ぼう。
<本書の目次>
第1章 自分を自分のコントロール下におく方法
まどわされない生き方①生き方の基本は、実は自分の中にある
⓶すべての瞬間を、前向きに生きる
⓷大変な時こそ、余裕ある行動を意識する
④「理性的」動物の魂を追い求めよ
生と死と運命の考え方①長くても、短くても、人生
⓶「世界を眺めている時間」にこだわらない
⓷名声も、命も、ずっと続くものはない
④後回しにしてはいけないことがあることを理解する
⑤過去や未来よりも、重要なのは現在
⑥運命は、積極的に考えたうえで受け入れる
コラム「内なる理性を自覚して、真実に生きるための哲学」
第2章 自分と自分の周りを幸せにしていく方法
他者と生きる①人間とは、協力して生きるもの
⓶どうせなら、ポジティブな批評を
⓷他者の過ちを受け入れることの利点
④「最高の復讐」とは?
⑤100パーセントの“親切”
⑥悪意をもって接する人間に、怒りを見せてはいけない
⑦マメな人ほど幸せになれる
社会の中の自分①周りと仲良くすべきなのには、ちゃんとした理由がある
⓶迷ったら、誰の意見をいちばん聞くべき?
⓷「いいね」が目的になると、心が休まらない
④自分の「売り」を見つける賢い方法
⑤体の一部になっている「信念」がいざというとき役に立つ
⑥思ってもいないことを言い続けるのは、自分の価値を低くする
⑦チャンスをつかむ感覚を磨こう
仕事をするときに①リーダーはどうあるべきか
⓶トラブルを乗り越えると、能力は急激に伸びる
⓷プロフェッショナルの心得
コラム「哲学を生きた皇帝、マルクス・アウレリウス・アントニヌス」
第3章 よりよく生きていく方法
人生にも哲学が必要だ①ストア哲学における「自然」とは
⓶哲学は哲学者だけのものではない
⓷マルクスの考える「神」とは?
④宇宙は物質であり、魂である
⑤宇宙スケールで人生を考えてみる
善悪と幸福①ジャニーズ問題が浮き彫りにするもの
⓶誠実な人と知り合い、付き合うこと
⓷幸福は自分の感情の中ではなく、行動の中にある
④黒柳徹子さんが身にまとう「つよさ」
⑤不機嫌になるのは、自分に負けているから
困難に立ち向かうには①困難だと思わなければ、それは困難ではなくなる
⓶ルッキズムに陥らないようにするために
⓷齋藤流「逆ブロックのすすめ」
コラム「ひとりの時間をもって自分を考えると、気持ちがスッキリする」